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番外編 0-DAY 【Ⅲ】

工場2F 事務所


事務所は未だに喧騒と混乱に包まれていた…

一部の人間は今の事を話し合い、他の人間は今何をすべきかを見失い右往左往するばかりであった、世界規模で発生している暴徒達…これがどれだけ異常な事件なのだと判らない社員は此処には居ない1つの国の中での集団テロなどの実行ならまだ納得できる、だが…世界規模など考えられないのだ。


…人間は予測出来る事には対応出来るが完全に予測不能の事態が起きると大抵はパニックになる。

今の事務所の中はこの典型例の様だ…


トゥルルル…トゥルルル…


喧騒の中にいきなり鳴り響く電話のコール音に社員全員の時間が止まった…


トゥルルル…トゥルルル…


時間が止まったのは数秒だったが全員が鳴り響く電話を見つめた、近くの女性社員がもはや習慣になっていたかの様に電話を取る。


ガチャッという静かに、しかしながら周りに響き渡る音がした。


「は、はい…お電話ありがとうございます…えっ?…は、はい…わかりました」


女性社員は少しおびえながらも電話対応をしていたがすぐに電話のテンキーに手を伸ばし、電話をスピーカーモードに切り替えた。


『社員の皆さん、聞こえてますか?どうも〜この会社で1番使えない社員の前島です、あぁ…切らないで下さいね…電話繋げるのに結構な回数掛け直したんでね…いつ切れるか判らないので取り敢えず言いたい事を言いますね…」


全員が固まっていた…電話が掛かってきた事もそうだが…相手が相手なのだ、前島と言う男は仕事は出来ないし根暗で社交性も皆無に等しく、何故この会社に就職出来たのか謎だった…いつの間に事務所から居なくなったのか、彼奴はいつも何を考えているか解らない事が多かったから皆んなに避けられていた…印象は最悪それが会社からの評価だった、そいつが今電話で話して来ているのだ驚くのも無理は無い。


『これから、【奴ら】がそちらに行きます。なので。好きにして下さい…闘うのも良し、逃げるのも、立て籠もるのも、何でも良いので行動して下さい…』


意味不明だった…【奴ら】?暴徒の事を言っているのであろうが、こちらに来るとは?闘う?逃げる?立て籠もる?

意図が読めない、何故電話でこんな事を話すのか?


ドン!ドン!ドスン!


扉に何かがぶつかる音がした…


『ほら、来たよ…【奴ら】がね…僕は高見の見物とさせて貰うよ…見るのは勿論、君達の最後の瞬間だ…』


前島の言うとうりなら今扉を叩いて居るのは暴徒達という事になる…

何人かが扉を押さえに行こうとしたがもう既に遅かった…

バンッ!という音と共に暴徒達が雪崩れ込んできていた。








「ははっ…なんとか上手くいったみたいだな…」


椅子にもたれながら一息つく、その姿はどこか満足そうだった、椅子の背もたれをギシギシと軋ませながら目線だけをモニターに向ける、其処には地獄絵図が映し出されていた。


「本当に、上手くいくものだね…」


地獄絵図を見ながら呟く、嬉しそうにしたのも一瞬で終わり、真剣な表情でモニターを見る…


前島がやった事は単純だった、先ず工場内を周り【奴ら】の位置を把握し、その後にワザと音を立てたり、物を投げたりして【奴ら】を集める。

【奴ら】を集め終わったら、会社用の携帯電話のアラームをセットし、会社用携帯電話を事務所へ上がる階段へ置く…そして事務所の中から逃げられない様に【奴ら】が向かう先とは違うドアに細工をして開かない様にする、後は時間を見計らい自分の携帯電話で事務所に電話をするだけだ…


(自分でも結構準備不足だったと思っていたのに、まるで歯車と歯車がハマったみたいな感じだっだな…最後の電話が繋がり難かったのは予想外だったけどね…マズイな…楽しみ過ぎている…自分がやっている事が文字通り、命懸けの実験だと言う事を忘れそうだ…【奴ら】の情報を得る為にこんな面倒な事したんだ…無駄にしちゃ勿体無いからね…)


前島は、実験場の観察を続けた…中で動くのが【奴ら】だけになるまで…


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