26 対決
ホームセンター出入り口
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
俺と菜摘は絶句していた、何故なら目の前にゾンビが居るからだ…
(こいつは、多分イレギュラーだ!)
俺は直感的にそう判断した。
そのゾンビ服装は、バイクのフルフェイスヘルメットに革のジャケット、ジーパンにブーツだ、体格的に男だと思う。
体中には他のゾンビにやられたのであろう傷が有るが身体の欠損はない、ここまでは普通のゾンビでも居るので珍しくない…だが、目の前のゾンビはまるで俺達の事をまるで親の仇を見る様な目で見て居る。
普通のゾンビの様ないつも何処かを見ているみたいな虚ろな眼ではない、目の前の人間を確実に殺そうとする意志が目に見える…まるで憎悪という炎が眼の中で燃え上がる様に…
「菜摘…わかるな?」
「イレギュラーですね?」
「この距離だと逃げられない、だけど運が良い事に今はこいつ一体だけだ…ヤルぞ!」
俺達はゾンビから目を逸らさずに会話する、
そいつはこちらをジッと睨み続けているが襲って来ない。
「黒鉄さん挟み撃ちにしましょう!」
「わかった!」
俺は菜摘の案に乗る、菜摘がアイコンタクトをしてゾンビの背後を取ろうと俺から少し離れた、するとゾンビはまるで人間のように俺と菜摘を交互に見た…
『アぁアあアぁ…』
そのおぞましい声を出しギロリと俺を睨んみ俺の方に走り出した。
「なっ!」
信じられないほどのスピードだった、これには菜摘も俺も対応出来なかった。
俺はゾンビに胸辺りの服を掴まれてしまった、必死に離れようともがくが、ゾンビの握力が高いのか離れない、ヘルメット越しに憎しみが燃え盛る双眸が俺を見ていた。
『ゔァあアぁアぁア!』
ゴッ!
「がっ!」
ゾンビは俺に噛みつこうとしたんだと思うがヘルメットが邪魔をして頭突きになっている、俺の身体に激痛が走る。
『あア!』
ゴッゴッ
「がっ!ッぐ!」
連続でヘルメットが顔に当たった、俺はヘルメット手で捕まえて次の衝突を防ぐ。
「痛えな!この野郎!」
しかし、俺の力では抑えるのが、精一杯だった
「死ねよ、コンチクショウ!」
俺はゾンビに向かい悪態をつく、俺の視線の先には…バールを振りかぶる菜摘が居た。
ゴヅン!
菜摘が振り下ろしたバールは見事にゾンビの頭を、というかヘルメットを直撃した。
ヘルメットがヘコんでいる…
「ナイス!菜摘、助かった」
俺は菜摘に感謝しながらゾンビを引き剥がそうとしたが…
『あア!ヴぁア!』
「死んでねぇ!ああっ!くそ、ヘルメットのせいか!」
ゾンビはまだ俺に噛みつこうとしている、対して俺はゾンビの頭を両手で押さえているので、動け無い。
「黒鉄さんを…離せ!ッ離せぇぇぇ!」
ガッ!ゴッ!ドゴッ!
菜摘が叫びながらバールを振るう、しかしゾンビは動き続ける…
「菜摘!離れろ!」
「ッ…はい!」
菜摘はバールを下ろし俺から離れる。
俺はゾンビが頭を少し離した瞬間にゾンビの頭から左手を離し首に左腕を入れた…
俺は左腕でゾンビを抑え始めた瞬間に右手をヘルメットから離し、右手でポケットの中にあるリボルバーを取り出した、そして…リボルバーをゾンビを顎の下に押し付けた。
「くたばれ!」
パンッ!
俺が引き金を引いた瞬間、駐車場に乾いた破裂音が響いた。




