19 戦慄
投稿遅れて本当にすみませんでした。
投稿しているつもりでしたが出来てませんでした。
コンビニ
「・・・黒鉄さん」
コンビニに到着し、コンビニ内の安全を確認して、物色を始めて数分がたった頃急に菜摘が口を開いた。
「ん?どうした?菜摘」
「いえ…あの…」
菜摘が口ごもる、俺は菜摘の方を振り返ったが商品棚を挟んでいるので顔が見えない。
(話しかけて来たのに口ごもるなよ…)
俺は菜摘が一向に話しかけて来ないので商品の物色を再開した。
「黒鉄さん…」
菜摘がまた声をかけてきた。
「どうした?」
また口ごもるのか?俺は商品を漁りながら返事をした。
「あの…こんな時に不謹慎だと思うんですけど…」
(今度は喋るのか…不謹慎って何だ?)
不謹慎、という言葉が少し気になり、俺は手を止める。
「少し…楽しくなって来ちゃいました。」
商品棚の所為で顔は見えないが菜摘が微笑んでいる気がした。
「・・・・・・・・・・」
「黒鉄さん?」
「あぁ、すまんすまん、確かに楽しいよな・・・俺も最初の時はだんだん楽しくなって来てカバンがすごく重くなった経験があるしな…」
(前回のことだかな…しかし、なんか菜摘とは気が合いそうだな)
「そうなんですか?」
菜摘がクスリと笑ったのが聞こえた…気付くと俺もつられて少し笑っていた。
俺達が、カバンの中に食料を詰め込み終えた丁度その時、外からバイクの音が聞こえて来た。
(近づいてくる…)
「菜摘隠れるぞ!バイクの音でゾンビが集まる!カバンはどこかに隠せ!」
「はい!」
菜摘と俺はカバンを裏の事務所に隠し武器を構えて背中合わせに商品棚の陰に隠れた…俺は外の様子を見る為に商品棚から顔を少し出した。
バイクの音はどんどん大きくなって来る、10秒もしない内にバイクが見えてきた…
(なんだよ⁉︎…あれ?)
俺は目を疑った…何故なら…そのバイクに待っていましたと言わんばかりに2、3体のゾンビが飛び掛るのを見てしまったからだ。
(ゾンビが飛び掛った?走るのは知ってる…だが、連携してるみたいに同時に飛び掛るだと?)
偶然か?と思ったが俺はその考えを振り払う様に首を横に振る。
(ゾンビが連携したのは事実だ…現実を見るんだ!黒鉄一刀!)
背中から嫌な汗が噴き出している様だ…あれが自分達に向けられたと想像しただけでゾッとする…あれを予備知識なしの状態でやられたら、絶対に助からない。
「ぎゃああああぁあああぁぁあぁあ!」
バイクの上から押し倒されゾンビに取り押えられた男が叫ぶ…
(おかしい…ゾンビが連携したのも驚いたが、今度は人間を取り抑える、だと?)
そう、いつもなら直ぐに喰らいつく筈なのに取り押さえたままゾンビは動かない。
『ヴぅアあ!』
バイクが走って来た方向から今までのゾンビの声よりもゾッとする声がした。
「黒鉄さん?あれ…なんですか?」
菜摘もいつの間にかそれを見ていたらしい。
「喋るな!」
声を落としながら菜摘に言う。
(ヤバイ!ヤバイ!)
直感的に悟る…アレ(・・)はヤバイ!
声を聞いただけでダメだとわかった。
ザリ…ザリ…ズズッ…
足音が聞こえる…周りの音はバイクに乗っていた奴の叫び声と足音だけだ。
『あア…ゥうヴぅ』
そして其奴は不気味な声と共に俺達の視界に現れた。




