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17 同行

マンション3F 菜摘家


「…今の状況…理解出来たみたいだな…」


菜摘がTVなどを見始めてから1時間程たった頃、ようやく俺は口を開いた。


「…はい」


菜摘は苦々しく口を開いて返事をした。


(落ち着いたみたいだし…これ以上こいつに構ってもいられないな…)


正直、面倒は避けたかった…女は何を考えているのか分からない…今の自分にとって菜摘と言う女は扱い辛い人間なのだ。


「そうか…部屋に勝手に入って悪かったな…そうそう外の防火シャッターは弄るなよ…階段の方にゾンビが居てシャッター開けるとゾンビが入って来るからな…」


俺はそれだけ言って踵を返して玄関に向かっていこうとした。


「待って下さい!」


出て行こうとする俺に菜摘は追いかけながら声を出した。


「何だ?」


「えっと…黒鉄さんは、これからどうするんですか?」


菜摘は恐る恐るといった感じだ…


「…生き残る為に色々するだけだ。」


俺はぶっきら棒にそう言った。


「あ、あの…こんな状況なので私も付いて行って良いですか?」


(面倒だなぁ・・・いや待てよ・・・この女使えるかもしれないな)


「わかった。連れて行こう・・・まあでも避難所とかにはいかないぞ?」


「え・・・避難所には行かないんですか?」


菜摘は避難所に向かうと思っていたらしい。


「外がこんなゾンビだらけなんだ、避難所のほうが危ないかもしれない、例えば・・・ゾンビになりかけた奴が避難所に居たら?どうなる?」


菜摘はまだそこまで頭が回っていなかったみたいだった。


「とりあえずはこのマンションで食料や資材、武器の確保をして行こうと思ってる・・・お前には手伝いをしてもらうぞ・・いいな?」


働かざるもの食うべからずだ・・・


「はい、わかりました、これからよろしくお願いします・・・黒鉄さん」


「・・・よろしくな菜摘・・・じゃあ行くぞ・・・」


(あ~どうなんだろこれ・・・まあ使える部屋が一つから二つに増えたのはよかったかな?)


こうして俺たちは菜摘家を後にした。


3F自宅


「女子高生だと?」


「はい、高2です・・・」


(中学生に見えた・・・)


菜摘は童顔だった・・・しかも身長が150少しだ・・・いや140かもしれない


「黒鉄さん、今何か失礼なこと考えませんでしたか?」


「いや、何も・・・」


(勘が鋭い・・・)


童顔と身長がコンプレックスらしい…その後俺たちは俺の部屋でゾンビの特性や特徴、イレギュラーの事、3階の現状などの情報を共有した…


「当面の武器はこれを使え…お前の腕力じゃ頭を叩き割れないだろうから足を狙って転ばせろ」


そういいながら俺は大学から持ってきた箒の柄を菜摘に渡した。


「わかりました」


「それじゃあ・・・食料調達の為にコンビニに向かうぞ」


「はい」


俺は朝と同じ装備で菜摘にも空のかばんを二つ持たせて本日二回目のコンビニに出発した。


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