12 外出
自室
「んーあーー」
頭がぼんやりする…
(昨日なにしてたっけ?)
俺はぼんやりしたまま、ベッドから起き上がり、そのまま洗面所へ行く。
洗面所で顔も洗いスッキリした所でTVをつけると、ゾンビのニュースが流れていた。
ニュースではゾンビの事を暴徒と呼んでいて、今起こっている事は暴動として報道していた、他にも暴徒には近づかない事を報道していた。
(昨日と同じで役立つ情報なしか…いや、いつもやる現場のアナウンサーが出ない…まぁ当たり前か…)
こんな状況で外に出るのは自殺行為だろう…マスコミでも自分の命は大切だ…
(…ってかこの状況で仕事してるよ…暴徒に近づかない様に、とかしきりに言ってるし、マスコミの使命感かねぇ?それとも、ビルの外に出られないから、仕方なくかな?)
そんなどうでもいい事を考えながら俺は朝食を済ませ服を着替えた…ちなみに天気予報はやってなかった。
「さてと、とりあえず外の確認だなうーんベランダから見てみるか。」
俺はベランダに向かった。
(うわっ…ヒデェな…こりゃ)
ベランダに出た俺の前に広がっていたのはいつもの風景とは全然違うまるで別世界の様な景色だった…
道の至る所で車が衝突していたり血痕だと思われるシミがそこら中にあり、その中をフラフラと歩く人影が見える。
(あれ?昨日より減ってる?)
俺が見た限りだが、昨日よりゾンビの数がかなり少ない…
これぐらいの数なら外に出れそうだと思いベランダから部屋の中に入った。
「まずは、食料の確保だな…コンビニかスーパーにでも行ってくるかな…」
外に出るのは危険だが俺の家の冷蔵庫事情もかなり切迫している…他にもこの3階フロアにゾンビが入れない様にバリケードなども作りたいので材料も集めなくてはいけない、どっちにしろここで引きこもるわけにはいかないのだ…
俺はバットを持ち、旅行バッグを2つほどリュックサックに詰め玄関に向かった。
(よし!行くか…)
俺は決意を固め、鍵とチェーンロックを外しドアを開けた。
3階廊下
(ゾンビはいないな…)
俺はドアを静かに開けて周りを確認した。
「ふぅ」
家から出て数秒で噛まれるなど冗談にもならない、俺はそのまま3階廊下の真ん中にある階段の防火シャッターを閉めるために防火シャッターのスイッチを押した。
ーーガシャン!ガラガラガラ!
「うおっ!」
シャッターのスイッチを入れると、かなりの音が響いてしまった。
(結構うるさいな……ゾンビ大丈夫かな?)
かなり音が響いているのでゾンビが来るかもしれない、そう思いバットを構える。
「・・・・・・・」
ーーガシャン!
防火シャッターが下りきった…
(…流石にそんなに速くは来れないよな…まぁこれで非常階段に鍵とチェーンを付ければゾンビは3階フロアには入れないぞ。)
あと、防火シャッターの脇にある非常ドアにも鍵とチェーンをつけて、など様々な事を考えながら俺は非常階段のドアを開けて、下に降りて行った。




