10 マンション3F
3F廊下
結果から言うと非常階段の途中にゾンビはいなかった。
(まぁ、廊下には居るんだがな…ゾンビ。)
俺は非常階段から3階の廊下を覗きゾンビを確認した。
(とりあえず廊下に居るゾンビは居るゾンビは2体か…やっぱり転ばせてその隙に部屋に入るか?)
俺は考えながらもゾンビを観察していたらある事に気付いた、1体のゾンビは稼働している換気扇と換気扇を行ったり来たりしていたが、もう1体は廊下の一番奥の部屋の前にボーッと立って居る体に噛まれた後、喰い千切られた後が無ければ人間と見間違えそうだ。
(ん?奥のゾンビはこの3階に住んでた爺さんの…名前なんだっけ?忘れた…まぁいいか、爺さんゾンビ換気扇に反応してない?なんでだ?)
そんなに距離は無いので反応しないはず無い、まさかイレギュラーかと思い警戒しながら観察を続ける…
手前のゾンビは相変わらず換気扇を行ったり来たり、爺さんはボーッとしたままだ、身動きはするが、換気扇に反応しない。
(音で釣るか?イヤイヤ危ねえ事はなるべくしたく無い、下の階に間で聞こえてゾンビが3階に来るのはヤバイ……ん?)
俺はまた、爺さんゾンビに目を向けた。
(まさか、耳が聞こえないのか?確かにあの爺さんはあんまり耳が聞こえないって噂聞いたな…)
試してみるか、そう思った…
どうせ3階からはゾンビを排除しなければいけないのだ。
(うっし!とりあえず手前のゾンビからだな…)
俺はバットを握りゾンビに近づく。
『オオオォォォ』
フラフラしながらこちらの方に近い換気扇にゆっくりと歩いてくる、いつ何が起きても大丈夫な様に油断はしない…
ゾンビまでの距離はもう2メートルぐらいに近づいた。
(ヤバイ…心臓が爆発しそう…)
1メートル。
俺はバットを静かに振り上げ…
ーーゴッ!
バットをゾンビの頭に向け思いっきり振り下ろした。
バットは見事にゾンビの頭を叩き砕いた、頭を砕かれたゾンビは糸が切れた様に倒れ動かなくなった…
「奥のゾンビは反応なし…か」
やはり、ゾンビの性能は生前の能力が関係しているらしい。
(また、確認しなきゃいけないことが増えたな)
俺はそう思いながら爺さんゾンビの方に近づきバットを振るった。




