テンプレを受けつけないのは年齢のせいじゃないかという目をそらしたい現実。
「小説家になろう」の主流、異世界転生でチートでハーレムで俺TUEEな作品。
初めに言ってしまうと、私はあまり好きではありません。
でも、思ってしまったのです。
それは歳のせいなのではあるまいか、と。
以下の条件に全て該当する方は、この先は心を強く持ってお読みすることをすすめます。
①ランキング上位の小説を読んで、「自分の方が文章力上なのに……」とか思う人
②テンプレ以外を書いてる人
③30歳以上
④自分の作品が受けないのは、なろうのテンプレから外れてるせいだと思う人
私もほぼ当てはまりますけどね!
もうすぐ、じゅうななさい(2周目)の誕生日を迎える私、ランキング上位がテンプレで占められているのを見ると、「もっと個性的なのが読みたい」「もっと、商業作品に無いような刺激的な作品が読みたい」と感じます。
ランキング上位の感想欄が誤字の指摘で埋まってるのを見ると「推敲くらいしろよ」とか思ってしまいますし、文章の構成など色々ツッコミたくなります。
けれど。
目が肥えているといえば聞こえは良いですが、テンプレに飽きているのも、人の文章が未熟に見えるのも、自分が優れてるからではない。
なろうのメインの読者層……高校生、大学生かと思いますが、その人たちより長く生きて、多くの作品を見ているというだけ。
社会人になれば報告書など、人に読ませる文章を書く機会は嫌でも有りますから、「しっかりした文章を書ける」というのも自慢にはならない。学生の人より文章力が高いなんて、当り前のこと。
つまりテンプレが稚拙に見えるというのは、個性的な才能を持ってるとか、審美眼が優れてるとかではなく……単に歳を取った証ではないでしょうか。
認めたくない。認めたくない認めたくない認めたくない認めたくないッ!
断じて認めたくない、考えたくもない事実ですよね。
自分が歳を取ったなんて。
でもこれを認めず、テンプレを見下していても得る物は無いでしょう。
このエッセイジャンルを見ていると、「小説家になろう」でテンプレが受ける理由を分析している作品を、よく見かけます。
テンプレに否定的な層も多いようです。むしろ私もその一人です。
……でもそれは、歳のせいじゃないかな。
若い作者様の作品や活動報告に対し、誤字や言葉の誤用を嬉々として指摘してる人を見ると、痛々しく思えて仕方ありません。言葉遣いが正しいのだって、貴方が優れてる証明ではない。単に年寄りなだけかも知れないのだよ?
チートやハーレムを、理屈をつけて批判してる人も。好き嫌いの問題だけではなくて、若者の感性を失っているのかも知れないよ?
ああ、認めたくない。
でも今回、こんな自己否定に満ち満ちたものを書いたのは、自戒のためであります。
テンプレやラノベ要素を見下したり、人の稚拙を嘲笑ったり……そんなことをしていては、たぶん一生小説家にはなれないから。
自分が間違っているのではないか。自分は老いてないか。常に自問自答し、それでも前に進める人だけが本物になれると思う。
やっぱり私は個性的な作品を書きたいし、それでテンプレがランキング上位を独占する現状に、もっと言えば世界に、風穴開けてやりたい。下剋上したい。反逆したい。
けれどそれは茨の道。テンプレが人気なのは当然なのです。
それを覆すには覚悟がいる、実力がいる、運がいる。全てがいる。
それでも自分は……。