表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

カフェにて


『少し太った?』



カフェのざわめきの中に溶け込みそうな、私の声に、貴方は静かに微笑んだ。



『お陰様で』



その言葉で、貴方が再び幸せを掴んだ事を知る。



テーブルに引かれた不可侵の線を、私は越える事は出来ない。


貴方の相談を聞くうちに芽を出した感情は、花を咲かせる事なく枯れてゆく。





歳の差は関係ない。



初めはそう思っていた。



だけど、貴方は私よりずっと長く生きていて、私と出会う前に、貴方にとって大切な人に出会ってしまった。


不可抗力の運命に、私は心の中で悔し涙を流す。



何もしらない貴方は、無垢な瞳を細め微笑う。


私は、貴方の目を見て微笑む事が出来ない。

…出来なくなってしまった。




俯くと、琥珀色のホットティーに私の笑顔の……涙顔が映った。





――次に生まれたら、出会いましょう





心で呟いたあと、カップを揺らし、私の顔を濁した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ