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太陽と向日葵とオープンカー
どこまでも続く黄色い海原。
二人で貯めたささやかなお金で買った、古い小さなオープンカーが空との境界線を目指して走る。
見知らぬ先の旅の風が、期待の香りを運び、陽気な陽の光が、大人へ背伸びする二人に、天を仰げと囁く。
「ゴメン。いつか、もっとかっこいい車を買うから」
あなたが流れる景色の中に溶け込みながらはにかむ。
「ありのままでいきましょ」
わたしがプリズムの髪飾りを差しながら微笑む。
無限に広がる黄色い幸せの真ん中で車を停め、あなたと私の温もりがやさしく重なると、照れた向日葵は、太陽の方に顔を逸らしながら、その先にある永遠を静かに見つめていた。