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第三話 いかさま師その八

 そうしながらだ。こう彼に話したのである。

「幼馴染のカップルってな」

「本人達は否定してるけどな」

「有名なのですか」

「だってよ。二年の本木って料理部で有名な娘だからな」

 彼女のことからだ。有名なカップルだというのだ。

「料理上手でしかも可愛いしな」

「あのスタイルだからな」

「スタイルですか」

 スタイルのことについてはだ。可愛さの話題についてもそうだが。

 十字はそのことには淡々としていた。まさに何の興味もない感じだ。

 それでだ。そのことについてはほぼスルーでだ。先輩達に別のことを尋ねたのだった。

「では料理部での腕から」

「そうそう、何でも作られてな」

「お菓子なんかも上手でな」

「俺達も料理部にお邪魔して試食してもらってるぜ」

「性格もいいしさ。人気出るのも当然だぜ」

「そうですか。この学校での有名人ですか」

 このことを聞いて納得する十字だった。そしてだ。

 先輩達にだ。さらに尋ねた。

「そしてその彼女と共にいるからですか」

「ああ、神崎はサッカー部のミッドフィルダーなんだよ」

「こっちはまあそこそこか?」

「悪い奴じゃないけれどな。本木みたいには目立ってないぜ」

「あくまであいつが目立ってるんだよ」

「わかりました。そうですか」

 そのことを聞いて納得する十字だった。とりあえず二人のことはわかった。

 そして今度はだ。彼等のことだった。

「それでなのですが。お二人と共にいたあの金髪の人は」

「清原のことか?」

 先輩の一人が答えた。

「清原雪子のことか?」

「はい、確か名前は雪子さんといいました」

 クラスの中での三人のやり取りからだ。名前を思い出して答えた。

「清原雪子さんですか」

「その本木と同じ料理部でな」

「顧問の清原先生の妹なんだよ」

 先輩達は十字に彼女の事情も話した。

「あの顔だから男の子には人気あるぜ」

「あとな。お兄さんの清原先生もな」

 彼の話も為されるのだった。

「女の子達に人気があるんだよ」

「人気あるのですか」

「美形でしかも紳士でな」

「公平な性格だし親切だしなあ」

「俺達みたいな馬鹿にも丁寧だしな」

 先輩達もその一郎については好意的だった。

「悪い人じゃないぜ」

「っていうかあんなにいい人そうはいないぜ」

「そうですか。いい人ですか」

 十字が彼から感じ取ったことはだ。今は言わずにだ。先輩達の話を聞くのだった。

「で、その料理部で本木に目をかけててな」

「二人で色々引き立ててるんだよ」

「できた先生に友達だよ」

「だよな」

 こうだ。先輩達は目を細めさせてその兄妹のことを話す。それで話に波が乗ったらしい。

 今度は十字に問われる前にだ。こう話したのだった。

「で、二人のおじさんが塾の理事長なんだよ」

「清原塾のな」

「清原塾ですか」

「佐藤は転校してきたばかりだから知らないか?」

「はい、塾というものも」

 日本社会にまだ疎いところもありだ。彼はこう答えた。

「あまり」

「日本じゃ学校の授業の補佐みたいな感じで勉強教えるところあってな」

「それが塾なんだよ」

 先輩達は十字にその塾とは何かから話す。

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