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勇者の嫁になりたくて ( ̄∇ ̄*)ゞ  作者: 千海
6 アーテル・ホール
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6−6



——あ、詰んだ。


 落下しながら考えるのは、そんなこと。


——この穴って下まで何キロ??


 そう思う端っこで、位置エネが!ポテンシャルが!!運動エネと保存して!?と脳みそがお祭り騒ぐ。


——g = 9.8 m/s^2だから…って、この世界は違うのか!?このままじゃ、ぺっしゃん、おじゃん、でおしまいしか待ってない!!あ、そうか。だから詰んだと思った訳か。


 アワアワ焦る自分さんと、冷静に切り返す自分さんが脳内で賑やかだ。

 数秒前からものすごいスピードで流れ去る景色の中に、キラキラ輝く何かの姿があったりするが、走馬灯の類かと見るのをちょっと諦めていたりする。

 が、いつの間にかそんな流れが不思議とゆっくり見えてきて、キラキラの一端が天を目指して泳ぎ行く魚っぽい何かのヒレであることが見て取れた。


——あぁ。あれは確か…空魚(スカイフィッシュ)というやつだ……


 海を泳ぐ魚の姿に様々な形状の長い翼(ひれ)を突き刺したような奴。

 背中のあたりに飛行可能な羽を持つ“翼種(よくしゅ)”と呼ばれる種族が、ある一定の高さ以上を飛んでいると出くわすという定番のモンスターの総称である。


——この世界で最後に見るのが“スカイフィッシュの天昇(あまのぼ)り”…


 それは何でもアリな雰囲気のファンタジー世界でも、おとぎ話や見間違いなどと笑われるような認識の現象だ。


——もしこれが本物ならば…


 たぶんそろそろ“一番下”だと心の準備で瞼を閉じて。


——クレアレーテの学術院に論文を投げつけてやれるのになぁ……


 一報で論文博士だやっほい!などと。

 そう思うと同時に、盛大な入水音を遠くの方で耳にして、私の意識は都合良くもぷっつりと途絶えたのだった。

※g = 9.8 m/s^2

冪乗を表現する時「^」を使う。

アクサンシルコンフレックスというらしい。

長いのでキャレットの読みの方を使いたい。

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