表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の時の中で  作者: スピオトフォズ
第六章 ドーイング騒乱
53/110

第53話「打ち首or帝都送還?」

前回のあらすじ……


担当:アーク・シュナイザー。

リナとおっさんは実は知り合いだった!?

しかも2人ともセトラエスト王国ではお尋ね者っぽい!

リナはまあいいとして……おっさんはいったい何やらかしたんだ?

まさか詐欺とか……いやありそうだけども(汗)。

しかもブエノースって奴は賢者のくせに騎士団のバイアル中海連合艦隊の提督らしい。

よく知らんが提督って偉いんだろ?

でも騎士団にブラストレイズの事を話してないってことは……やっぱ公にしてはいけない理由があんのかな。

まずはブエノースって奴に会いに行こう!

と思ったらなんかリードと遭遇した!

最悪だぁぁぁぁぁーーーー!!!



――――


「え~と……よう」

「う……うん」

 ぎこちねぇぇ!!

 まあいつまでも気にしてても仕方ないし、とりあえず平常心平常心。


「無事に……着いたみたいだね」

 リードが先に話題を振ってきた。


「ああ……まあ、道中いろいろあったけどな」

「いろいろ?」


「ジャミルに会ったり、紅蓮の覇王と戦ったり……」

「はぁ……なんか、大変だったんだね」

 その哀れむような視線……なんとなくいたたまれなくなるな……。


「まあな。そっちはなんでこんなとこに?」

「ああ、あの後ドーイング周辺で大量発生してる魔物の討伐作戦の参加を言い渡されてね」

 なるほど。

 見習いも楽じゃねーな。


「へぇ……そんなに深刻なのか」

「ああ。見習い騎士である僕らも駆り出される位だからね」

「そっか、そっちはそっちで大変なんだな」

 仕返しだ!

 思いっきり哀れむような視線を送ってやる!


「そうだね……」

 思った以上に効いたのか?

 リードは下を向いている。


「……」

 俺もなんとなく黙る。


「……」

 意味ありげな視線を送ってきた。

 何?


「……なんだよ」

「いや、君の方はその……どう、なったんだい?」


「いきなり核心かよ……」

 言い辛ぇなぁ……。


「だから言いにくかったんだよ。それにちゃんと1クッション入れただろう?」

 やや不満げな声でリードは返す。


「まあそうだけどな……結果的にその……賢者はやられたよ」

「ッ!?……助からなかった……のか?」


「いや、先を越されたって意味だ。重傷だけど何とか生きてるらしい。今そこの病院にいるみたいだけどな」

 俺は後ろにある病院を指して言った。


「そうか。それで……例のブラストレイズは……?」

 ほっとしたような表情をした後聞いてきた。


「さあな。分かんないけど多分取られただろ。んでもってこれがまたややこしい事になっててだな」

 俺ははぁ、とため息をつきながら話した。


「ややこしい?」

「ああ、賢者……アレン・ブエノースって奴なんだけど」


「アレン・ブエノース……まさか、バイアル連合艦隊のブエノース大佐の事か!?」

 名前をつぶやきながら考える仕草をした後、ハッと思いついたように言う。


「知ってたのかよ!」

 いくら同じ騎士団でも分かるものなのか?


「もちろん……騎士団の中では有名さ」

 なるほど……それでおっさんも知ってたわけか。

 いやおっさん騎士団じゃないけどな。


「俺この前言わなかったっけ……?」

「『賢者のアレンって奴』としか言ってなかったからな」

 そうだったっけ……?


「まあいいや。んでそいつを殺そうとしたのがルネだって疑われてんだよ」

「ルネって……この前の……?」


「ああ。まあ本当にルネがやった可能性は0じゃないけど、ブラストレイズやザイルの事とか聞く為に今から賢者様に会いに行くところだったんだ」

「なるほどね……でも今、ブエノース大佐に今会うことは無理だと思うよ」


「なんで?」

「なんでって……大佐はまだ意識を失ってるんだろう? それに殺されかけた大佐と見知らぬ人との面会許可が下りるわけがないだろう」


「た、確かに……ん? 待てよ? アレンが犯人の姿を見てるなら、目を覚ませばそれで万事解決なんじゃ……」

「……いや、その事件の事は良く知らないけど、今見た目以上にドーイング駐留軍は冷静さを欠いている。いや、正確には第3大隊長……いや、駐留軍のトップであるリコ大尉がね。あの様子だと、本日中に帝都へ輸送して投獄か……あるいは打ち首か」


「う、打ち首!? それシャレにならないぞ!?」

「ああ……急がないと大変な事になるかもしれない……でもどうするつもりだい?」


「くそ……アレンが目を覚ませば一番早いんだが……」

「けど間に合う保証はないよ」


「なら……新犯人とっ捕まえちまうか!」

「どこにいるかわかってるの?」


「う……」


「なにか分かったら、このテレ――」

「――おーい! リード! 時間だぞ~!!」

 ロウさんの声だ……。

 なんというタイミング。


「……絶妙なタイミングだな」


「はぁ……とにかく、何か分かったら、このテレスで連絡するから」

 そう言ってリードは俺の手にテレスを置いた。


「おい! お前良いのかよこれ……」

 おいおい……これ騎士団で使ってる奴だろ。

 思いっきり規則違反じゃねーか……。


「……親友、だろ?」

 ニコっとリードは笑った。


「……まったく、どうなっても知らねーぞ?」

 俺が笑い返すと、リードは背を向けて、ロウさんのところへ走り去った。


 さて……これからどうすっかな。

 とりあえずリナ達が面会予約取りに行ってるから病院行ってみるか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ