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永遠の時の中で  作者: スピオトフォズ
第一章 平穏な日々
4/110

第4話「『うまい!これならいくらでも食える!』とか言う奴いるけどホントにいくらでも食えるのか?」

前回のあらすじ……


担当:アーク・シュナイザー。

早朝6時。

リードが力任せに俺の事を叩き起こしてきた。

殺そうと思った。

まあ、そんな感じで朝を迎えると、今日は父さんが久々に返って来るらしい。

そんな時、おっちゃんが家を訪ねて来て、俺達は作業の手伝いをすることになってしまった。

めんどくせぇ。

最後の仕事である買い物を終えると、エルが暴走し、食材を大量に買い込んでしまう。



――エルの家――



「あのさアーク……」


 リードは汗を流しながらじっと前を見つづけている。


「なんだいリード君……」

「逃げちゃダメかな?」

「それは俺も思っていた」


 そう、俺らは今、エルの家に監き――ゴホン、招待されていた。

 あっ、やっぱ監禁で良いや。

 今は汗を流しながらテーブルのイスに2人並んで座っている状態だ。


「よし。逃げるぞ」


 俺はイスを引き立ち上がる。


「そーっとだよ?君はガサツだから、物音を立てないように……」


 リードも同様に立ち上がり、口に人差し指を当てて合図をする。


「うるさい。お前こそしくじるな……よ?」


 リビングから移動し、玄関に入り靴を取ろうとすると、玄関には、なぜかダイチがいた。


「エルねーちゃん! 2人共また逃げようとしてたよー!」


 そして報告!

 なにしてんだこのクソガキはァァァァーーーッ!!

 ダイチはむす~っとした顔でエルに大声で叫んだ。


「せっかくエルねえちゃんが御馳走してくれるって言うのになんで逃げるのさ~!」


 言いつつ、小柄な体の割に力強く俺とリードをぐいぐいと引っ張り、リビングに連れ戻す。

 結局俺らは、テーブルにリターンする羽目となった。

 数分後、料理を運びながらエルがやってきた。


「もー、2人ともー、なんで逃げるのよー!」


 エルはぷく~っと頬を膨らます。

 その仕草はかわいらしいと言えばかわいらしいのだが、今の俺らはそれどころではなかった。


「いやだっていつも――」

「エルの料理は――」


 俺らの言葉をさえぎってエルは、


「そう言わずに、召し上がれっ!」


 ドーーーンと手を広げ自身の手料理を紹介する。


「「――多いんだよおおぉぉぉぉーーー!!」」


 俺らの声が一致した。

 そう、こいつ、ドジっ娘な割には手先は器用で料理は実際上手い。

 上手いのだが……目の前の料理は軽く10人前を超えている。


 これを……2人で食えと?

 ちなみにダイチは2皿程食って戦線離脱するので戦力には入れてない。


 そして、残すとエルの魔法が炸裂し、大変な――もうそれはそれは大変な、ホント身も凍るような――事になるので、完食が原則だ。


「さあ、2人の為に作ったんだよ! 思う存分どうぞー!」


 そして、この笑顔に偽りは無い。 

 これだから、天然ってのは厄介なんだ……。

 俺らは修羅の道へと突入した……――。




――翌日――



 アーク達は、その日の夕食をそう言う形で終え、次の日の朝を迎える事になる。

 この日リードは、騎士団へ訓練を受けに行かなければならない。


 もちろんエルも一緒だ。

 リードとエルは今町外れを抜け、町の中心にあるラシアトス城を目指していた。

 道中、他愛のない会話をしていると、リードの腹がぐぎゅぅぅぅ……と鳴る。


「あれリード、お腹減ってるの?」

「違う……昨日の“アレ”で消化不良を起こしているんだよ……というか、しばらく何も食いたくないんだが……」


 エルの質問に脱力しながら答えるリード。

 それに対し、むく~っと膨れるエル。


 そんな会話をしながら城を目指す。

 そうして、ふと上を見上げる。

 そこに見えるのは目的地、


 ――ラシアトス城。

 この町の中心部に位置し、ギル・ラシアトス帝国を纏める総本山。

 同時に、この国の(つるぎ)、帝国騎士団の本部を置いている所でもある。


 その全景は、まるで彫刻された巨大な美術品のような印象を受ける。

 美術品にように見せかけて、実は数十もの収容式の対空砲が、上空に目を光らせていたりもするのだが。


 そう、忘れてはならない、ここは政治の中心地であると同時に軍隊の中心地でもある。

 この城の裏側は海になっており、そこには数百を誇る『帝国騎士団・帝都即応艦隊』の本拠地となっている。


 そしてリード達は、その隅っこにある『帝国騎士団・養成部隊』に所属している。

 まあ、実際は見習い見習いと言われる事が多いのだが。

 

 正門をくぐり、煌びやかな内装の廊下を歩き、ドアを開け、更衣室に入り、城内待機服を身につける。

 まあ、仕事で言う制服のようなものだ。


「ようリード、おはよ」


 声を掛けてきたのは、同じ小隊の仲間であるユウだ。


「おはよう。昨日のロウ隊長の扱きはどうだった?」


 リードは何気なく声を掛ける。

 昨日、剣術評価で一番低かったユウは、小隊長であるロウという男に居残りで扱かれていたのだ。


「聞くなよ……思い出しただけで筋肉痛が……」


 あたたたた、と太ももを押さえて顔を歪ませた。

 ユウはリードの2つ上、20歳の男だ。

 比較的がっしりとした体つきをしているが、ロウ隊長曰く剣筋が荒いらしく評価はあまり高くない。

 リードと違い工業区の出身で、家は日用品を製造する工場らしい。


「ユウったら昨日グラウンド30周もさせられたらしいよ?ロウ隊長も鬼だよね~」


 そう男にしては少々高い声でしゃべるのは、ナッドという少年。

 こちらはリードと同い年で、リードよりも少し背が低くて小柄だ。

 出身は貴族街だが、特にリード達庶民を見下しているような事は無い。


「さ、30周? うぅ……私そんなの絶対無理だ……」


 それをやり遂げたユウを見て、エルは脱力する。


「それに比べてリードはすげぇよな。コイツなんでもできるもん」


 ユウがリードを嫉妬の目で睨む。

 リードは優等生で、全ての項目で高評価を得ていた。


「なんでもという程じゃないよ……僕だってまだまだ未熟な部分はたくさんあるさ」


 褒められて照れ臭いのか、苦笑いしながら答えるリード。


「も~、リードが言っても自慢にしか聞こえないもん!」


 そして、一番の落ちこぼれ……と言ってはかわいそうだが、それはエルになる。

 治癒魔術師の癖に、攻撃特性が強すぎるらしい。


 例えば、バルード退治の時のように、魔法を連射して畑を破壊したり……。

 そんな感じで、一行は着替えを終え、今日座学がある教室へ向かう。



――――



「おう、全員来てるな? ユウ、体の調子はどうだ?」


 教壇に立つ中年の男の名は、アルバート・ロウ軍曹。

 騎士団養成部隊・第11訓練隊の教官だ。

 当たり前だがユウ以上にがっしりとした体つきで、リード達の教官を務めている。


「聞かないでください……考えただけでも筋肉痛の痛みが……」


 ユウは顔をしかめながらなんとか答える。


「ハッハッハ! 今日が座学で良かったなお前!」


 腰に手を当てて大笑いするロウ。

 そうして今日も講習が始まっていく……。


題名がカオスww

そして内容も前半はカオスww

ヒロインが料理下手ってのは良く見かける設定なのでちょっと変えてみました。

でもあんま生かせる場面なさそうだなぁ、まあ手先が器用って事で。


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