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永遠の時の中で  作者: スピオトフォズ
第三章 無人島サバイバル
29/110

第29話「腕輪の真実、仇の正体」

前回のあらすじ……


担当:アーク・シュナイザー

今回はいつも通り俺、アーク・シュナイザーがあらすじを担当するぜ。

ルネの音痴に嫌になりつつ、何かのイベント発生を望んでいると、バッドエンド確定のイベントが発生して俺がヤバイ。

謎のイカレ金髪の攻撃に押されながらも抵抗していると、なんか上級魔法っぽいのを使われた。

ルネがやべぇ! と思って飛び込んだが今度は俺がやばいっつーの!



――――



「――裁きの雷(レデヴァールラルム)ッ!!」

 俺の頭上から極太の雷光が襲ってくる!

 ああもう、こうなったらやるしかねぇ!!


 俺はドラゴンウルフと戦ったとき、火球を“斬った”時の事を思い出す。

 一か八か、雷光を斬るッ!!


「うおおおぉぉぉッ!!」

 俺は眩しさに耐えながら雷光の直撃寸前にダガーを振る!!

 次の瞬間、確かな手応えと同時に雷光が瞬く間に四散していった。


「うっそ……」

「な……んだ、と?」

 ルネとイカレ金髪は、今の状況を正確に認識できていなかった。

 だが、するべき事はわかった!


「ルネっ! 行って来い!!」

「あ……オッケー分かった!」

 ルネは仲間を呼ぶ為一瞬で飛んで行った。

 イカレ金髪は唖然としてる!


 そして、あの時のように、刀身が今度は金色に光っていた。

 雷の魔素が刀身に帯びている……状態だと思う。

 とりあえずやるしかねぇ!


「うおおおおクロスエッジッ!!」

「ぐああぁぁぁぁぁッ!!」

 やった! 決まった!

 ダガーがあたった瞬間、俺も目を瞑ってしまうような激しい電撃が巻き散った。

 あっぶねぇぇ巻き込まれそうになったぞ……なんて威力だ……。


「クッ……ふざけやがって……、ッ! うるせぇッ! オマエはッ……」

 イカレ金髪はふらふらとそこら辺にある木に背中を預け、片手で頭を抱えていた。


「おい……何言ってんだ?」

 俺は真っ先に思い浮かぶ疑問を口にする。

 電撃で頭がおかしくなったのだろうか。

 まあどの道この様子じゃあもう戦えないだろうな。


 あっ、倒れた。

 ……ここでトドメを刺す事も可能なのかもしれないが、俺は人殺しにはなりたくない。


 それより、マジでこのダガーなんなんだ……。

 親父を小一時間問い詰めたいが、その親父はもうこの世にはいない。


 いやっ、それよりこの腕輪だよ。

 イカレ金髪はこの腕輪を欲しがっている。

 その理由を聞かねば。


「おい、お前、この腕輪が何だか知ってんだよな?」

 俺は右腕に付けていた腕輪をかざして言った。

 腕輪は、うっすらと青白く光っているような気がした。

 男は顔を上げないまま言う。


「……馬鹿な野郎だ。やはり知らずにいたって訳か……」

 焦らすなよ!

 その後、顔を上げて話す。 


「悪ィ事は言わねぇ。そのダガーも腕輪も、ここで捨てていった方がいいぜ。後々身を滅ぼすかもしれねぇ」

 金髪イカレ男は少し落ち着いた声で俯いたまま話す。


「お前……このダガーと腕輪についてなんか知ってるのか!?」

 俺は食いついた。

 この二つは謎が多すぎる。


「ダガーはしらねぇ。だが“普通の物”じゃねぇよ」

 “普通の物”ねぇ……。

 これは親父のなんだが……親父はそれを知ってたのか?


「まぁいいさ……腕輪ぐれぇは教えてやるよ――魔核大戦……2千年以上前に世界全土を覆った最悪の戦争だ。その戦争を終結に導いたのが……最終兵器『リーヴァスレイズ』」

 リーヴァスレイズ……?

 はじめて聞いたな。

 っていうかいきなりコイツは何を言ってるんだ?


「なぜ戦争は終わったのか。それは、『リーヴァスレイズ』によって世界は灰と塵の世界に変ったからだ。世界に残った7人の有権者、『賢者』。奴らは最も恐ろしい兵器『リーヴァスレイズ』を7つに分解し、7人の家系でそれぞれのパーツを守った」

 なんか……すげぇ話だな……。


「7つの破片の呼称。それが『ブラストレイズ』。そしてその内1つが、今オマエが今腕につけてる奴だ」

 な、なんだってぇぇーー!?

 マジでか!?


「待て待て待て!! これは元俺の家で見つけたんだ! そんな重要なモンがその辺に転がってるわけ――」

 いや……待てよ?

 俺の親父が、これを持っていたとしたら?

 (アーク……“ブラストレイズ”を、頼む……)



 ――あの時、親父が託したものが、この腕輪だったとしたら!?



「俺の親父が……賢者……!?」

 …………ありえない。

 現実味が無さ過ぎる。


 俺の親父は、サバイバル好きで、スパルタで、剣技が上手くて、ちょっと意地悪で、でも優しくて、誰よりも俺のことを考えてくれた、普通の、普通の親父なのに!


「ふん……なんだ、やっぱ知らなかったってのかぁ?」

 だが、金髪は「何当然のことに驚いてるんだ」といった声で言う。


 嘘だろ。

 信じられるわけがない。


 でも、もしそうだとするなら。

 ……8年前の事件……殺されたのは、賢者だったから?

 この腕輪を守る為に、親父は死んだ……?


 いや、待て。

 背筋が燃えるように熱い。


 金髪の顔を見て、俺は信じられないことに気付く。


「あの時親父を殺したのは……まさか……」

 俺は八年前の記憶を探る。

 覚えている。

 親父が死ぬ前の夜。


 家を訪ねてきた金髪の男。

 八年も前だが、しっかり覚えている。


「まさか……お前が……」


 心臓が、早鐘のようになる。


 全身の血液が、全神経が沸騰直前まで上がってゆく。


 頭が揺らぎ、めまいが襲った。


「はっ、ようやく気付きやがったかぁ! 8年前、お前の親父、ライン・シュナイザーを殺したのはこのオレ様、ザイル・サファールだァァ!!」


 その声を聞いたとき、ついに血管が沸騰した。

 全神経が爆発した。


「お前……お前がぁぁぁぁッ!!」

 俺は湧き上がる怒りを押さえることができず、ダガーで金髪の顔面に斬りかかる。


 だが、そのダガーは目前で簡単に防がれた。

 例のバリアみたいな壁だ!


「バァカ!」

 金髪は再び立ち上がった。

 その目は、先ほどと同じく紅蓮のように赤かった。


「チッ……“あの野郎”……まぁいい。オマエをここで殺せば済む事だ!」

 金髪はそう言った。

 だが、俺はもう既に、ヤツに対して恐怖など微塵も感じていなかった。


 この男を殺す。

 ……それだけを、考えていた。



「お前だけは……お前だけは絶対に許さないッ!!」



 ――それ故に、俺はこの男……ザイルが漏らした不可解な言動に気付かなかった。


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