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永遠の時の中で  作者: スピオトフォズ
第三章 無人島サバイバル
27/110

第27話「イベントのオーダーミス」

前回のあらすじ……。


担当:ジャミル・ハワード

はいはい今回も俺、ジャミル・ハワードがあらすじを担当するぜィ。

廃屋の地下室を発見し、向かった俺ら。

そこで見た物は、ジジイの死体だった。


エルによれば、コイツを殺ったのは魔物じゃなく人間らしい。

それも相当の腕を持つヤローってワケだ。

なンか面白くなって来やがったぜェ!



――――



「せーんろはつづくーよーどーこまでもー」

 俺とルネは現在町、村、または人を探して森の中を彷徨っていた。


「あーるーこーあーるーこー、わたしはーげんきー」

 この島は中心部へ行くほど高地になっているのか、軽い斜面を登っていく。

 探索から一時間ちょい。

 まだ人気は確認できていない。


「せんのかーぜーにー、せんのかーぜになーーってーー」

「統一しろよっ!!!」

 ……今まで黙ってたがこれはスルー出来ない!


「なんで途中から歌詞バラバラなんだよ! 全部ミックスすんな! しかも最後の関係ないし!」

 と俺は大声で歌う、ルネに向かって言う。


「だって途中までしか分かんないんだもーん!」

 歌えて楽しいのか、満足げな表情で答える。


「だったら歌うな!」

 速攻切り返す。


「なんでよ~! 別にアークには迷惑かけてないじゃん」

 今度は不満げに返す。


「かかってんだよ! お前の歌聞いてると耳が腐る」

「なんですと~!」

 そう……。

 今発覚したがこいつ究極の音痴だった……。


 こいつの歌には、もう音程という概念は存在しない。

 大声で叫んでるだけだ。


「音痴過ぎるんだよっ!! お前、喉おかしいんじゃねぇのか!?」

「うわ~、ひっど! 最低!」


「最低なのはお前の歌だ!」

「あーるーこー、あーるーこー」


「言ってるそばから歌うな!」

「え~、ヤダ。つまんないじゃん」


「元々探索してるだけだろ!」

「それを面白くするのがあたしの仕事よ!」


「芸人か! それに面白いのお前だけじゃん!」

「文句ある?」


「あるよっ!」

「却下」


「なんでっ!」

「うるさいから」


「それはお前だろうがぁぁぁーーー!!」

「アッハッハッハッハ! なにそれ面白い!!」

「……はぁ~……なんか、倍疲れるんだが……」

 俺とルネはこんな阿保なやりとりを繰り返して森を探索していた。

 見える景色は木、木、木、木木木……木しかねぇぇよぉぉーーー!!!


 うんそうだ。

 はっきり言ってつまらん。

 うむぅ。

 何かビックイベントでも発生しないものか。

 と思っていると、前方から草むらをかき分けて“何か”がやってきた。


 お? さっそくイベントか?

 俺達は魔物かと思い、咄嗟に無言で身構えた。


 ……今はまだ、草や木の陰になって分からない。

 近づいてくるにつれ、それは1人の人間だと分かった。

 でも、山賊とかの危険もあるので構えはとかない。


「……クク……奇遇だな」

 男の声がした。


「……へぇ~。オマエこんなトコにいたのか」

 この声には聞き覚えがあった。

 その声と記憶が一致し、寒気がした。

 こいつはもしや……。


「はっ……ご丁寧に“例の腕輪”までちゃんと装備してらァ」

 いや、もしかしなくてもあいつだな……。

 姿が完全に現れた。


 真っ金金の短髪で、真っ赤な瞳に迷彩色のコート。

 両手には3本のクロー、そして腕には大量の腕輪。


「でもザァンネン、ここで会ったが運のツキ。その地味な腕輪、渡して貰おうか」

 この前、元俺の家で会った、俺を殺そうとしてきた奴じゃねぇか!!


「え……? アーク、誰? 知り合い?」

 ルネもクナイを取り出して構えながら俺に尋ねる。


「知るか。前俺を殺そうとしたただの通り魔だよ。ホントついてねぇ……」

 あんときはハリスがたまたまいて助かったけど、今は俺とルネしかいねぇ!!

 もうさぁ、オーラからして俺の敵う相手じゃないって分かるよね?


 俺はビックイベントを希望したが、バットイベントを望んだ覚えはない。

 くそ、注文が違うぞ!

 ……じゃなくてマジメにやばい。


「という訳で逃げるぞルネうおおおおおぉぉぉ!!」

 俺は踵を帰して一目散にダッシュ!


「ちょ、アーク!?」

 正直、こんなアブナイ奴と関わってられるか!!

 バットイベントどころかバットエンド確定だコノヤロー!!


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