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永遠の時の中で  作者: スピオトフォズ
第三章 無人島サバイバル
25/110

第25話「さあ、探検だ~!!」

前回のあらすじ……


担当:アーク・シュナイザー

グロ魚うめええぇぇぇーーー!!(←しつこい



――無人島(仮)・夜――



「ふっは~、食った食った! これでしばらくは動けそうだな!」

 と俺は言いながら、後片付けの準備をする。


「……にしても、参ったよ。グロテスクな物程うまいって本当だったんだね」

 リードはマキを片づけつつ感心する。

 確かにあのグロ魚が美味なのは意外すぎる。

 神様はどう考えても見た目の設計を間違っている。


「どうだ! これがルネ・アーサス様の眼力の力だ! ふははははは!!」

 ルネは両手を腰に当ててどっかの魔王みたいな笑い方をする。

 コイツはどう考えても俺に悪意を持っている……。


「テメェ変な笑い方してねェで片付けろっつーのォ!」

 ジャミルがルネを叱る。


「ハイハ~イ、でも怒ってばっかいると血圧あがるよ~?」

 ルネ、焚きつけるなよ……。


「ンだとゴルァ! そういうテメェこそ――いったァ!!」

 ケンカを始めるとエルが速攻杖で殴った。


「怒らない怒らない」

 ニコッ、とほほ笑んで場を収める。

 でも、殴るなよ……。


「テメェいちいち殴ンじゃねェっつーのォ!」

 そんなこんなで後片付けは終了した。



――翌日――



 昨日、俺達はドラゴンウルフとグロ魚を食った後、夜間の行動は控えるべき、という俺案が採用され寝る事になった。


 んで今翌朝。


 昨日はちょっと寝過ぎて酷い目にあったのでさすがに今日は起きる。

 全員で起床して、とりあえず朝飯確保。

 グロ魚が釣れると聞いて、俺達全員で海へ向かう。


 そこで魚を焼いて朝食を取った後、今後の活動を決める為に一度話し合う事にした。

 そもそも俺達の目的はここで自給自足して幸せに暮らすことではない。

 そう、島から脱出することだ。


「無人島無人島と言ってたけど、ここが本当に無人島かどうかは正直わからん」

 俺はみんなを集めて話す。


「したがってもし人が住んでいたらこの島からの脱出も容易になるし、もしかしたらどっかにボートとかがあるかもしれない。よって次の行動はこの島の探索だ!」

「確かにね……見た感じ人の気配はなさそうだけど……」

 リードが辺りを見回して呟く。


「わっかんねェぞ? 意外と仙人みてーなヤツが住んでっかもしンねェし」

 冗談半分でジャミルは言っているが、まあ無きにしも非ずってとこかな。


「ってことはー、また3人と2人に分かれて行動する訳だね!」

 とエルが言う。


「そこで……じゃーん! くじ引き作っちゃいました~!」

 ルネさっきから何やってんのかと思ったらそれ作ってたのか!

 ルネの手には5本のクシみたいなのが握られていた。

 どっから持って来たんだか。


「よし、俺引くぞ」

「あ、私もー!」

「僕はこれにしよう」

「俺ァこれだ!」

「じゃああたしは残ったこれね~」

 ……結果、エル&ジャミル&リードの班と、俺&ルネの班に分かれる事になった。


「おっ、あたしはアークとか~」

 にこにこしながら近寄ってきたが、


「……マジか」

 俺は波乱な予感しかしなかった。


「なによ~その露骨に嫌そうな顔は~」

 おっと顔に出ていたようだ。

 まあ、エルよりはマシか。

 ……またエルと2人になったらやり直しを希望するとこだったな。


 そんな感じで、俺達は東方面を探索する事となった。



――西方面――



「ふう、だいぶ歩いたね……」

 と、リードは少々疲れ気味になって言う。


「行けども行けども、森しかねェな。つまんねっつーのォ」

 ジャミルもつまらなそうに呟く。

 確かに、こんな景色ばかりでは飽きてしまうのも仕方ない。


「あっ! 見て! あそこに何か……」

 エルは遠くに何かを発見し、手で太陽の光を遮りながら凝視する。


「ン? なンだァ? なンも見えねェぞ?」

 ジャミルも同様に目を凝らすが、何も見えないようだ。


「エルは視力がいいんだよ。僕にも当然、何も見えない」

 リードは生まれつき視力が悪いので眼鏡をかけている。

 アークによると、おかげで余計に知的に見えるとか。

 外した方がかっこいい、とエルに言われたこともあったが、そうすると何も見えないのでそれは勘弁だと本人は言っていた。


「あれは……建物……かな? 木が邪魔で……近くに言ってみないとわかんないや」

 とエルは凝視するのを止めて言った。


「建物ォ? 人がいンのか?」

 ジャミルは諦めず、今だエルの見ていた方を眼を細めて見ていた。


「うーんどうだろー。いくら目が良くっても、そこまで見えないよ」

 さすがのエルにも限界はあるようで、困ったような笑顔を見せながら言った。


「とにかく、行ってみる価値はあるね。人がいるなら助けを求めよう。いなかったら、何か使えるものを探す事も出来るし」

 他の2人も同じことを考えていたようで、一行はその建物へと向かった。



――建物:リード視点――



「これは……」

 僕が見たそれは、間違いなく建物だった。


 材質は石で、決して大きくはない、倉庫のように見えた。

 出来上がってからかなりの年月が経っているようで、ツタが完全に絡まっている。

 所々壁面が崩れているが、元々頑丈な建物なのか崩れそうな様子はない。

 上の方に小さな窓がいくつかあったが、全て割れている。


 入口は一つだが、扉は既に無くなっていた。


「倉庫、かな……? 何か使えるものがあるかも知れない。入ってみよう」

 利用できるものは最大限に利用しないと。

 それが少しでも生き延びる術に繋がっていくはずだ……。

 そう思いながら入口へ近づくと、入口の扉は無くなっていたのではなく破壊されていた様子だった。


「なァんだこりゃ、魔物かァ?」

 木製の扉が、上下に真っ二つに切り裂かれていた。

 巨大な爪でも立てられたのだろうか……。


「傷は……新しいね、割と最近できたものかも知れない」

 ジャミルの言うとおり、魔物の仕業の可能性が高い。

 この辺りは出没しそうだし、別におかしくはないだろう。


「とにかく、入ってみようよー!」

 テンション高めのエルがそう言ったので、僕達は中に入った。

 中は太い柱が数本立っている他、木や鉄の箱が複数置いてあったが、どれも中身は空だった。


「ンだよ、なンにもねェじゃねェか」

 ジャミルがそう呟く。

 ……恐らく、放棄されて何年も経ってるのだろう。

 中はほこり臭いだけで、何もなかった。


「きっと昔何かに使っていたんだろう。今は何もないみたいだ。でも、寝床として使えるかもしれない」

 屋根もあるし、雨を防ぐには十分なはずだ。


「ねー、ここ見て! 隠し通路みたいになってる!!」

「なんだって!?」

「マジかッ!?」

 僕はあわててエルの所に行く。

 ジャミルも同様だ。

 床の石製のタイルの一つがどかされていて、その下はハシゴで地下室へ行けるようになっていた。


「エル、よく気がついたね……」

 僕はエルについて素直に感心した。


「うんん、違うの。最初からこうなってたんだよ」

 エルは首を振って否定する。

 なんだ、せっかく感心したのに。

 って言ってる場合じゃない。


「せっかくだ、行ってみようぜェ」

 ジャミルの案に賛成し、僕達は地下室へ向かった。



 そこで――信じられないものを見てしまった。


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