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永遠の時の中で  作者: スピオトフォズ
第三章 無人島サバイバル
20/110

第20話「無人島生活スタート!」

新編、無人島サバイバル編スタートです!


前回のあらすじ……


担当:アーク・シュナイザー。

天国まで真っ逆さまな俺達を助けてくれたのは、なんか浮浪人っぽいおっさんだった。

一応命の恩人というべきお方なのだが余りに変人過ぎて俺らは感謝する気をなくしそうになる……。

そんなおっさんは何故か俺らに協力を要請してきた。

内容は座礁したボートの復旧。

まあ形だけでもギブアンドテイクという事で俺達は協力する事にした。

その時おっさんが一瞬謎な言葉を吐いたが聞き間違いだったのか……?

「変わってねぇな」って……俺前おっさんに会った事なんてないしなぁ。

まあそれはともかく、若干不審がりながらも協力していると、最終的におっさんは1人でトンズラしやがった!

はっ、はめられたぁぁぁぁぁぁぁ!!



――無人島――



「あの野郎ォ……今度会ったらブっ殺す……」

 おっさんがとんずらして、ポカーーンとしていた俺達の中で、最初に口を開いたのはジャミルだった。


「同感だね……っ! 騎士団を敵に回すとは……良い度胸だよ」

 指の骨をパキパキと鳴らして物凄い殺気と引きつった笑みを見せてリードが言う。


「ちょ、お前恐い! ジャミルより恐い!!」

 そしてお前はただの見習いだろぉぉ!!


「あったしも~! 次にあったらどんな殺し方するか考えとかないとな~♪」

「ルネお前はニコニコしながら物騒な事を言うんじゃねぇ!」

 そして楽しそうに槍を磨くな!


「ホォォォォリィィィィィブラストォォォォォ!!」

「お前も無駄に気合いの入った声で魔法を乱射するなエルっ!! うおっ! あぶねえって!!」



 そんな感じでみんなの怒りを鎮めるのに30分。



「――で、これからどうすんだよ」

 とりあえず、俺が仕切らねばならん感じになってしまった。


「っていうか、君はよくあの状況で冷静さを保っていたね……」

 リードの殺気も、ようやく無くなってきた。


「ああ……俺の親父もあんな感じだったからな」

 まあそれは今思い出したんだがな。


 いきなりレベルBの魔物と戦わされて瀕死になったり……、

 大海原の中置き去りにされて1週間漂流して瀕死になったり……、

 今回みたいに無人島に突然放られた挙句なんやかんやで瀕死になったり……、


 あれ? 俺何回瀕死になってんだ?


「そう言えばさ、アークの両親ってなにやってる人?」

 ルネが聞いてきた。


「母さんは小さい頃病気で死んだから分からん。親父は古代文明(ラスタード)鑑定師(クリアラー)をやってたが、まあ親父も死んだけどな」

 死んだんじゃない。

 殺された。

 親父は8年前のあの時、きっと何かヤバい物件を頼まれてたんだと思う。

 その翌日に親父が死んだ。


 これは偶然じゃないだろう。

 殺したのは恐らく……依頼してきたあの迷彩柄のコートの男。

 奴で無いにしても、奴に関係する奴に違いない。

 

 にしても、親父の最期の言葉――




『アーク……ブラストレイズを……頼む……』

 



 ――あれは……なんなんだ?

 レイズとは、古代兵器を表す言葉。

 第一の古代兵器(ファストレイズ)から第五(フィフスレイズ)まで種類が確認されているが、ブラストレイズなんて……聞いたことも無い。


 だいたい数字じゃないし、ブラストってなんだ?

 ホーリーブラストみたいな魔法名称でもないし……。

 

 それに、なんで俺に頼んだ?

 まあ……考えるに、迷彩男が鑑定を依頼した古代兵器(ラスタード)……あれがその『ブラストレイズ』だとしか考えられない。


 でも、それがなんなんだ?

 そんなに重要な物を俺にどうしろってんだよ親父は!!

 

 あ~、やめよう。

 そんな事考えたってしょうがない。

 

「アーク? どしたの?」

 ルネが俺の顔に顔を近づける。


「どぅわぁ!! その癖やめろっ!!」

 いきなりビビった……なにしやがんだこの女は……。


「だって全然反応しないんだもん!」

 はぁ……と俺はため息をつく。


「とりあえず、もう真夜中だし、寝床を探そう」

 リードが全く進展しない展開を進めようとする。

 このまま徹夜は体力的にも不可能だしな。


「寝床ォ? ここでいいンじゃねーの? 砂浜だし、広さは十分だぜ?」

 ジャミルがめんどくさそうに言った。


「いやいや。寝てる間に潮が上がってくる可能性があるんだよ。そうでなくともこの冷たい海風は予想以上に体力を奪う。したがって海岸線は禁止。んーと……風向きが北西だから、もしかしたらあそこに見える雨雲がこっちに来るかも知れない。そうなると雨だって降ってくるから、完全にとは言わないけどなるべく雨が当たらないところがいいな。洞窟とか発見出来ればいいけど、今日のところは森の中がベストだな」

「おう……テメェ、詳しいな……」

 ジャミルが目を大きく開けてびっくりしている。


「なんてことねーよ……体験談さ……以前親父に、無人島に置き去りにされた事があってな……はは……そん時の……な……」

 俺は、昔を思い出してあの恐ろしい体験に震えながら言った。

 後日聞いた話によると、その時の俺の周囲には、青色のどんよりとしたマイナスオーラが漂っていたそうだ……。


「そ、そうか……お前、苦労したんだな……ハハ……」

 ジャミルは笑顔をひきつらせていた。


「……あ、あははは、とりあえずここにいてもしょうがないし、アークの言ったとおり内陸へ移動しよっか」

 ルネが空気に耐えられないといった感じで、乾いた笑いを浮かべながら催促する。


「(オイ、アークの親父って、もしかしてとンでもない奴だったりすンのか……?)」

「(あ、ああ……いろんな意味でね……、彼はその、苦労したんだよ……いろいろね)」

 リードとジャミルが小声でなんか話してるが、まあいいか。

 俺はたいまつに火をつけ、森の中に歩き始めた。


 流れ的にもう、俺が仕切らなきゃいけないんだろうしな……。

 まあ体験談がどこまで役に立つかは分からんが、何も知らないよりはマシだろう。


「アーク」

 エルが突然俺の名前を呼ぶ。


「ここ広いと思うし、2手に分かれた方が効率がいい気がするんだけどー……」

 なるほど、昼間だったら確かにそうなんだが……。


「うーん俺の経験的にいえば多分それはやばいと思う。夜は昼間より強力な魔物がいるし、っていうかここどんな魔物がいるか分からないし、集団でいた方が安全だろ?」

 昼間ザコだと思って倒しまくった魔物に、夜は集団でリンチされた事がある……。

 あの時は辛かったなぁ……あはははははは……。


「あっ、なるほどねー、なんか今日のアークは冴えてるねっ!」

「そうか? こんな体験談で役に立つんならいくらでも話してやるよ」

 ……大部分は忘れたけど。


「ホント? 例えば?」

 だから忘れたんだって!

 心の中で言ってもしょうがないな……。


「例えば? うーん……あっストップ! ここなんかいいかもしれないぞ!」

 おっとタイミング良く(エルにとっては悪くか?)いい感じの寝床を発見!

 大木の下だ。

 ここなら土砂降りじゃなければ雨が降ったとしても大丈夫そうだ。


「よし、ここなら大丈夫そうだな」

 それから、魔物避けの仕掛けをルネと作ったり、見張りの順番を決めたりして、俺達の無人島生活1日目は終了した……。



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