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第一話
「陰ながら応援してる」
それは優しさですか。
それとも、終わりの合図ですか。
彼は“突き放された”と思った。
けれど、あの言葉の本当の意味を知ったとき――
この物語は、別れから始まる
君は家を出た。
持てるものを全部持って、振り返らずに。
「ごめんね。今の私じゃ、何もしてあげられない。
……陰ながら応援してるね」
それが君の残した最後の言葉だった。
気付けば、何ヶ月も経っていた。
君が残していったものを片付け、
寂しくなった部屋に、別の何かを置いて、
“ひとりの部屋”が出来上がった。
働いて、帰って、風呂に入って、洗濯を回して、寝る。
たまに友達と飯に行く。
何も無いわけじゃない。
でも、何かがあるわけでもない。
そんな日常を、ただ続けていた。
それでも、あの言葉だけは、まだ片付けられないままだった。
この物語は、別れから始まりました。
けれど、本当の意味を知るのはまだ先のことです。
次のお話で、彼の“誤解”は少しだけ揺らぎます。




