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七時以降

 夫は米飯、私はパン。


 夫は和食が健康にいいと力説する。

 それはわかっている。

 私だって、たまには卵かけごはんをずるずると食べたいなと思うこともある。


 でも絶対、朝に和食を食べていると夫に気づかれたくない。


 たとえ、みそ汁を作っても、私はパンを食べる。

 「ミソ・スープ」と思えばいい。



 そして、夫が起きてくる前に、朝食を済ませて、洗い物まで終わらせる。



 夫が起きて朝食を取るころには、私は洗濯物を干していて、とても夫の面倒を見る暇はない。

 だから、片付けも自分でしてもらう。




 お犬様は、夫が食卓に着くと、いそいそとそばに駆け寄る。

 忠犬のごとく、胸を張って食卓の夫を見上げている。


 夫がうるさくねだるので、お犬様のための野菜のカケラを夫の盆に載せているのだ。


 夫はもったいぶって、カケラをさらに極小にちぎり、一つずつ投げてやる。



 最後の一つを投げると、夫のお楽しみの餌付けタイムはおしまい。


 お犬様は後も見ずにさっさと引き上げる。




 夫は、恩知らずだの冷たいだのと恨んでみせる。

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