表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/45

5話 お前が出来る事を他の人間が簡単に出来ると思うな・・・

威流たけるへのアピールチャンスが終わり、後ろ髪をひかれる想いで自席に戻る久城くじょう

なんとか角を立てずに、上手く修正点を伝えられた事に安堵する威流たけるであった。



気を取り直して、仕事に集中する威流たける

そんな威流たけるの後ろにまた人影が・・・



「ふっふっふー、見てたぞ、赤音あかね君」


聞き慣れているが、聞きたくない声がする、

この声は無視する事の出来ない相手だ。


僕は振り向きながら応える。


「何かありましたか、白長しらなが部長」


「うんうん、営業部のエースと制作部のアイドルなんて良いカップルではないか」


「何をおっしゃってるんでしょうか、根も葉もない噂は相手に迷惑になりますよ」


「そんなに照れなくても大丈夫だぞ、赤音あかねも知っているとは思うが、

 うちの会社は社内恋愛を推奨しているからな」


白長しらなが部長も、社内恋愛の末、ご結婚なさったんでしたね」


「その通り、バリバリ働く俺の姿に家内はメロメロだったんだぞ」


「ご馳走様です、僕は仕事で手一杯なんで恋愛している暇なんてないですよ」


「まあ、その気があったら赤音あかねを紹介して欲しいという子もいるから、

 俺に相談するんだぞ」


「必要があればご相談させて頂きますが、暫くは仕事に集中したいので遠慮させて頂きます」


「そうかそうか、それじゃいつも通り仕事に集中してくれたまえ」


てめーが邪魔してんだろと叫びたかったが、

家に帰ってからにしようと言葉を飲み込んだ。



話し終えた白長しらなが部長が通り過ぎるのを確認してから机に向き直す。


白長しらなが部長は事あるごとに話し掛けてきて本当に困る。


しかも、置き土産の様に「赤音あかねを紹介して欲しいという子もいるから」とか余計な事を言うから、誰なのか気になって仕事に集中出来なくなるじゃないか。



ただ、白長しらなが部長は適当な事ばかり言ってるから、

あんまり本気にするもんでもないな。



白長しらなが部長の飲み会に行くと分かるのだが、聞かされるエピソードが胡散臭い。


「若い頃は営業部のエースは6人いて、その内の1人だった」とか、


「残業代だけで月40万円いってた」とか、


「営業戦略やカリスマ性が評価されて出世した」とか言い出すので、


誰しもが”ホンマかいな!!”と疑いながら聞いている。


話の内容のいい加減さもさることながら、部長のフルネームが白長平起。


どうしても脳裏に浮かび上がる人物像がある。

下僕が立身出世を目指す大人気漫画に出てくる「40万人埋めちゃった人」だ。



どっちもある種のイカレっぷりを発揮しているということで、

誰かが

”40万人 ”とあだ名をつけ、

呼びやすい様に””と略されていた。



たとえ噂話を聞かれたとしてもは、

漫画は読まないし歴史にも興味がないので、自分の事だと気が付かないと思うし、

うちの会社には嘱託社員の山崎梅夫やまざきうめおさん(63)が居るので、たぶん誤魔化せる。



ともあれ、の存在は、休みが欲しい人には実にやっかいだ。

沢山働くことに誇りを持っているタイプの人間だから、

有給とか滅茶苦茶言いにくい。



頑張って働くのは良いことだって、僕だって思っている。

多少の無理をしてでも結果に繋がれば、やっぱり嬉しい。



ただ、頑張れば頑張るほど僕の仕事は増えていき、

かなりの無理をしないと維持が出来ないところまで来てしまった。



どうにかしないと僕は壊れてしまう・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ