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3話 希望と現実はなぜ乖離しているのか・・・

まあ、そんな訳で、とにかく休みが無い。

本当に休みが欲しいんだ、本当に・・・



しかしだよ、会社を休むと仕事に影響が出るし、

仮病なんて出来るほど器用な性格でもない。


ただ、普通に過ごしていたら、風邪の1つでも罹りそうなもんだが、

僕は生まれにも障害がある。



僕が小さい頃に行方不明になった祖父は、熊の体躯、ゴリラの腕力、巨象の脚と

脳筋の錬金術師が錬成したキメラみたいなおとこだった覚えがある。


しかも、頭はチンパンジー・・・

とはならず、知性も高い人だったと親父おやじが言っていた。


因みに親父おやじは祖父の下位互換てな感じだ。


遺伝子はしっかりと継承され、祖父ほどではないが、

細身ではあるが丈夫な身体に生まれ、病気や怪我とは縁遠い人生を送ってきた。



だから、やっぱり”電車の手摺り”に命運を託すしかないのだ。



「あぁ、もうどうしようかなぁ」


纏まらぬ考えに、独り言が漏れる。


「何か悩んでいるんですか?」


不意に声を掛けられ威流たけるが振り向くと、見知った女性の姿があった。


「く、く、く、く、久城さん、お、お疲れ様です。どうかしましたか?」


「なんでそんなに動揺してるんですか?」


そう言って、彼女は可愛らしく微笑んでいる。


「突然声を掛けられたので、驚いただけです」


「また変な事考えていたのかと思いましたけど、そういう事にしておきます」


「またって、もう・・・」


以前、治験について調べていた時に、迂闊にも彼女に見られてしまい、

会社を辞める為にバイトを探していると思われた。


流石に会社を休む為の手段とは言えなかったので、

業務上の調査であると咄嗟に嘘をついたが、何故か嘘だと速攻でバレた。



「そんで久城さん、ご用件はなんでしょうか?」


「そうでした、依頼されていた広告のデザイン見てもらってもいいですか?」


「はいはい、あの件のですね、ありがとうございます、是非見せて下さい」


「いつものフォルダーに格納したので、一緒に見ますか?」


「手が空いた時に見ておくんで、戻って頂いて大丈夫ですよ」


「一緒に見たいから来たんですよ・・・」


なになに、その誤解を生む言い方。

付き合って三日目の彼女っか!!というツッコミを入れたくなる。


しかし、セクハラと言われるのが怖いから、ぐっと言葉を飲み込んだ。



「じゃあ、今確認しますね」


「はい、お願いします」


そう言って彼女は、つかつかと僕の横まで来てマウスを弄り始めた。


若干、久城さんとの距離が近いのが気になってしまい、

席を立ち、僕の椅子に久城さんを座らせる。


椅子に座った久城さんは、上目遣いでこちらを見ながら聞いてくる。


「赤音さんは、そうやってみんなに優しくしてるんですか?」


「優しいつもりはありませんよ、座ってた方がPCを操作し易いですからね」


「そうですよね・・・特に意味はないですよね・・・」


あれ?なんか久城さんのテンションが下がった様に見えるが、

気に障ることを言ってしまったか?


うーん、気まずい、取り敢えず仕事の話を進めてごまかそう。

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