26話 得られた成果より払った代償が大きければ、それは工夫とは言えない・・・
魔石の使い方についておさらいをしてみて、残念な気持ちになった威流。
しかし、生きていく為にも魔石は必須である事は分かっていた。
ここから威流は、同じ事を繰り返す日々が続く事になる。
朝起きてから魔石を持って海へ行き、焼き魚を捕りに行く。
池の広場からそう遠く無い所まで歩き、周辺の状況などを確認し、
暗くなる前に池の広場に戻ってくる。
魔石を3個使っていれば暴発の心配が無い為、在庫の補充を行う。
池の中の魔石を拾っては仕分けをして、色ごとに保管しておく。
そうして、三日の時が過ぎていった。
周辺の捜索で食べられそうな果実を見つけられたが、
色がパステルカラー過ぎて、手を付けるのに躊躇していた。
しかし、威流はこの三日間で、ちょっとしたアイデアが閃めいていた。
赤音 威流の ”異世界3発クッキング”
本日のメニューは、ビリっとドッカン ”異界魚の姿焼き”です。
用意する材料
緑の魔石 ・・・ 1個
青い魔石 ・・・ 1個
黄色の魔石 ・・・ 1個
作り方
1 緑の魔石を起動し、小石を呼び寄せ地面に打ち込みます。
自分で拾い集めても良いですが、面倒なので緑の魔石を使いましょう。
2 打ち込んだ小石を拾い集め、長方形の形になる様に砂浜に隙間無く並べます。
気分に応じて、丸や三角など好きな形にして下さい。
3 青い魔石を起動し、魚影が見える波打ち際に電撃をぶっ放します。
この際、自爆しない様に波打ち際から距離を取るのがポイントです。
4 電撃で痺れた魚を回収し、小石の上に並べます。
5 黄色の魔石を起動し、火球を小石の横に投げて魚を焼きます。
魚の位置が火球の範囲ギリギリになる様に投げるのが重要です。
そうしますと、丸焦げになったり、吹き飛んだりせず、
ふっくらと仕上がります。
また、焼けた小石が魚を保温するので、最後まで暖かく食べられます。
6 最後に、抉れた穴は砂を集めて埋めて下さい。
次回のメニューは、異世界であらびっくり ”異界魚あら汁” です。
当初のやり方だと一日に魚が1匹しか食べれなかったが、
今では数匹の魚にありつく事が出来るのが本当に有難い。
魚が多く捕れた時には、焼いた後にそこら辺に落ちている大きな葉に包んで、
夕食用として確保している。
ただ、デメリットもあるにはあるんだが、まず料理に魔石を3個使うから、
戦闘能力が皆無になる事と、自爆したら大惨事になる可能性があるくらいかな。
幸いにも自爆も無く、外敵に襲われた事も無いので思いのほか平和である。
焼き魚も普段から食べていた訳ではないから、まだ飽きるという事もないし。
だけど、ずっとこのまま過ごしていてもどうしようもない、
そろそろ観念して、探索範囲を広げるしかないか。
海岸沿いに歩いて行けば迷う事は無いから、少し遠くまで行ってみるか?
最悪、1日くらい食べなくてもなんとかなる。
水が飲みたくなったら、茶色の魔石で氷だせばいいか。
「よし!!明日は勇気を出して、遠足に行こう」
寝る前に持ち物だけは用意をして、今日は早く休もう。
威流は、持っていく魔石を選り分けてから眠りについた。
翌朝
威流は、女性のものと思われる叫び声を聞いて目を覚ます。
「な、なんだ?」
飛び起き辺りを見回すが、特に人影は無い。
すると、また叫び声が聞こえる。
「誰かが叫んでいる?急いで助けに行かないと」
遠足用に用意しておいた魔石をポケットに突っ込み、声が聞こえた方へ走り出す。
「そう遠くなければいいんだけど」
ここ数日で付近の探索を行っていた威流は、
朧気ではあるが、地形の把握が出来ていた。
木々の間を抜け、威流はがむしゃらに走る。
戦闘になる可能性も考慮し、ポケットから青い魔石を取り出す。
「多分、そこの茂みを抜けた辺りなはずだ」
威流は、走ったまま茂みに飛び込む。
茂みを抜けた先の光景に、威流は驚愕する事になる。




