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22話 旅の恥はかき捨てと言うが、命まで捨ててはならぬ・・・

取り敢えず、広く開けた実験場所を探そう。


ここは中心に池があって、拠点として使う分には充分な広さだが、

魔石の実験を行える程のスペースが無い。

周辺の状況確認も兼ねて、広い場所がないか探しに行くか?


「けど、こんなところで迷子になったら、戻ってこれる自信が無い」


方位磁石や地図が無い状態で樹海に踏み入るのは流石に無謀だと思うし、

ここは異世界なのだから、何が起きるのかも想定出来ない。

一旦、ここの周囲の状況を確認するため、木々の間から見える範囲で何かないか探してみよう。


すると、少し先に木々の無い、陽の光が当たる開けた場所があるのが見え、

歩いて数分位の距離であれば、迷うことも無いと思い、その方向へ歩き出す。


「何も出てくるなよ~、何も出てくるなよ~」

草むらから毒蛇や大きな虫が出てこないか、気にしながら歩いていた事もあり、

思っていたよりも随分と時間が掛かってしまった。


森を抜けると、そこには地平線の彼方まで何も遮る物が無い大きな海が眼前に広がっていた。地面も土から砂へと変わり、程よく温めれた砂浜がとても気持ちが良い。


「誰もいない海って、なんだかいいな。おっと、目印をつけておかないと」

帰り路を見失わない様に足元に大きな矢印を書き、手頃な大きさの石を数個その場に積んでおいた。


「これだけ広ければ、なにかやっても大丈夫だろ」

周りに人影は無く、波打ち際まで100メートルはあるだろうか。

左側の遥か彼方に、大きな岩山が見える。


「自然豊かで、良いところだなぁ」

目印も置いておいたし、少し散策でもしようかな?


威流たけるは左側に見える岩山の方へ歩きだす。

海の色は美しく鮮やかな青色、それは今までに見た事もない澄んだ色をしていた。


「シャワーとかあれば泳ぐんだけど、今はやめとくか」

足を止め、遥か遠くを眺める。すると、その遠くに何かさめの背びれらしきものが、ポツンと水面から飛び出していた。


「あれはー、さめの背びれっぽいけど・・・」

威流たけるが疑問を持ったのは、かなり遠くにあるはずのそれが見えるという事だ。


「ず、随分と大きくありませんかね、あれ」

微動だにしなかった巨大背びれがスーっと水面下に潜っていった。

それを見て、知らないところで泳いではいけないと固く心に誓う威流たけるであった。


遊んでる場合では無い事にやっと気が付き、目印付近まで戻ることにした。

目印付近まで戻った威流たけるは砂浜に座り、ポケットに入れていた魔石を取り出して地面に突き立てる。


「まずは、青い魔石からだな。誘爆とあるとヤバいから離れよう」

青い魔石を手に取り、海に向かって歩き出す。


目印から少し離れた場所で立ち止まり、青い魔石を手で握る。

頭の中に、雷系の魔法をイメージする。


すると、青い魔石は割れ、手の周りに電気が纏わり付く。

エルフがやっていた様に手を開き、腕を少し引いてから、前へ突き出す。


放たれた電気は、不規則な軌道を描きながら前方に進み散っていく。

明るい中でも電気の流れをしっかりと視認する事が出来る程の威力だった。


「思った通りだ。魔法を使うイメージで起動が出来る」

起動方法が分かれば、次を試したくなり、戻って赤い魔石を持ってくる。


「次は赤い魔石だ。雷をイメージして、駄目だったら炎をイメージしてみるか」


赤い魔石を握り、雷系の魔法をイメージする。しかし赤い魔石は割れず、

続けて炎の魔法をイメージするが、またしても赤い魔石に反応は無かった。


「うーん、なんでだろ?まあ、赤い魔石は雷属性ではなさそうだから、

色ごとに属性とかあるっぽいな」


念の為、氷や風、土属性もイメージしてみるが同じく反応無し。


「うーん、もしかして不発弾とかあるのかな?」

赤い不発弾は胸のポケットに入れ、別の赤い魔石を試してみるが結果は変わらず。


「赤は一回保留。別の色を先に試そう」

次は何色にしようか?

紫の魔石は、なんか闇属性な感じが否めないから、こいつは後回しにしよう。

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