表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/45

17話 多数派のイメージを覆す、少数派がいることを忘れるな・・・

得体の知れない攻撃により、意識を失った威流たける

この危機的状況の中、深く沈んだ意識が呼びかけてくる。


起きろ、起きるんだ。

このままでは死んでしまうかもしれない。


起きろ!!


威流たけるは意識を取り戻した。

すぐさま飛び起き、腰を屈め、警戒態勢を取る。


念の為、右手で肩や腕を触ってみるが、特に目立った外傷は確認出来なかった。

驚いたことに、身体の痛みは何事も無かった様に引いていた。


背後を警戒しながら、慎重に辺りを見回す。

平な石がある方へゆっくりと視線を向けた。


その時、目に飛び込んできた光景を俺は一生忘れないだろう。


美しい銀色の髪が風になびき、横に長く伸びた耳に掛かる。

金色の大きな瞳とすっと通った鼻筋、ピンク色の薄い唇が白い肌に映える。

左の頬には、扇状の赤いあざがあった。


「エルフだ・・・」

正にイメージ通りだった・・・のは、顔までであった。


「どうして、こんな残酷な事をするんだ」

第一村人がエルフだったまでは良かったが、まさかこんな姿をしているなんて予想だにしていなかった。


威流たけるが想像していたエルフは森の住人のイメージが強い。

緑色の服の上に革の胸当てを着け、弓と矢筒を持ち、薬草とか持っている。

もしくは、薄い布で作られた、身体のラインが出るピッタリとした”男の子はこういうの好きなんでしょ”感が出てる服。

威流たけるは、後者をかなり期待していた。


だが、このエルフは違った。

まず、小脇に抱えた兜の頭頂部の形状は、まるで竜の背びれを表現しているかの様で、そこから伸びる長い赤い布が尻尾、兜全体に幾重にも重ねられた小さな金属板が鱗の様に思えた。


兜を支える手には、兜と同様にうろこ状の金属板に覆われている籠手。

鋭く尖った指先は厚い金属に覆われており、指の可動性よりも防御性能を優先した造りになっていた。


首元から下腹部までを包み込む完全防備の鎧。

兜や籠手より厚い金属板が使用されているのか、重厚感が更に増している。

鎧と繋がっている肩当の造形が、口を開けたしゃちほこから瘴気が漏れ出ているみたいな装飾が施され、白を基調とした色彩ではあるのに”闇属性かな?”と思わせる禍々しさが漂っていた。


”足のサイズいくつですか?”と疑問が湧く鉄靴は、漬物石を小石の様に踏みつぶせそうな代物だ。


装備一覧で装備名をみたら全部に”ヘビー”ってついてるのは間違いない代物。


重装歩兵の様相を醸し出すその肩から覗く、どう考えても大剣と思われるつか

絶対に関わってはいけないオーラ全開のヘビーアーマーエルフ。

だが、別の意味で”男の子はこういうの好きなんでしょ”感は出ていた。


「そうじゃない、けどそうでもある、けどやっぱ違う」

エロの期待感を空振りされたけど、ロマン溢れるドラゴン系ヘビーアーマー。

悲しんでいいのか、喜んでいいのか、揺さぶられる威流たけるの感情。


余計な事を考えもたついていたが、遂にその時が来る

威流たけるとヘビーアーマーエルフとの邂逅。


ふと二人の目が合った途端、地響きを立てながら近寄ってくるエルフ。

威流たけるは腰を落したまま、その場で身構える。

だが、その心中は穏やかではなかった。


ふわぁ~怖ぇ~、今すぐ逃げて~、さっきの高揚感はなんだったんだ。

足の震えはエルフの地響きのせいなのか、恐怖で足がすくんでいるからなのか。

正直、もうどっちでもいいよ。即死回避の為、大剣の射程範囲を見極めるんだ。


当然、ゲームの様に敵の攻撃範囲が赤い線で表示されている訳もなく、

サラリーマンの威流たけるが、本物の武器を見たことがある訳でも無い。

結局どうすることも出来ずに、あっさりと ”胴が真っ二つ” 圏内にエルフの侵入を許してしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ