表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

放課後のスイートマジック

作者: 夜 雛

 「つばさー!早く帰ろ!」


授業終了の鐘が鳴り、帰ろうとする者が多い教室に透き通った声が響き渡った。


「おう、いま行く」


そう言って机の横にかけてあったカバンを持ち透き通った声の持ち主、松原まつばら 菜乃香なのかの元へ向かった。


「今日はね、駅前のところに新しくできたパンケーキ屋さんのクーポンが手に入ったの。そこに行こ!」


「お前、一昨日もパンケーキ食ってたのにまた今日も食べるのかよ」


呆れた口調で言うと菜乃香は口を尖らせ


「だってパンケーキ食べたいもん!私が甘いものに目がないことはつばさが一番よく知ってるでしょー」


そう。こいつは大の甘いもの好きだ。 俺、せき つばさの放課後は幼馴染の菜乃香に引っ張られて甘い物を食べに行くことだ。ちなみに俺はそんなに甘いものは好きじゃない。


「よくそんな毎日のように甘いもん食べれるよな。俺はお前が食べてるところを見るだけで腹いっぱいだよ」


「甘いものは別腹って言うでしょ!」


そんないつも通りたわいもない会話をしながら学校の門を出て駅前のパンケーキ屋へと歩き出した。


「でもつばさって何だかんだ言いつついつも付き合ってくれるよね。もしかしてほんとーは甘いもの好きなんでしょ!」


「いや、別に」


「じゃあなんで?」


俺が甘いもの好きじゃないのにいつも菜乃香に付き合う理由なんて一つしかない。 


「好きだからに決まってんだろ」


菜乃香に聞こえないくらいの声量で俺はそう言った。


「え?なんて言った?」


思った通り菜乃香の耳には届いてなかったらしい。


「さぁー?あ、パンケーキ屋ここじゃね。」


そう言って店の前で立ち止まり話を逸らした俺にむすっとしながら菜乃香は俺の手を引いて店に入った。


俺が菜乃香に告白をするのはもう少し先の話。


いまはこうやって放課後一緒に甘いものを食べに行き美味しそうに食べる菜乃香の顔を見る時間が一番幸せだ。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ