表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集

季節の狭間

「ほーほけっきょ けっけょ けょ」


「ちっ ちっ ちちっ けちゃこちゃぺちゃ」


「ぴーひょろー ひょー ひょろー」


青空一面に 色とりどりの音が ひろがる


子はいう


「鶯は 何で泣いてるの?」


親はいう


「かぞくをさがしてるのよ」


子はかしげる


「燕は 何で怒ってるの?」


親は答える


「怒ってないわ いそがしいのよ」


子はきく


「鳶は?」


親はそっと目を閉じて 呟く


「どこから聴こえてくるか 耳をすませてみれば分かるわ」


「どうして?」


「獲物を見つけた 証だからよ」


子は空を見上げる


そこには、雄大な真っ青な空


家族のために 低く飛ぶ鳥


姿なく 音だけが訴える鳥


そして 大きく旋回をしながら

頭上を回る 凧のように

横に長く 隆々とした たくましい翼を

誇示するかのように広げる鳥


地べたには 新雪のような 真っ白な体

扇子のような長い尾を ひょこひょこさせ

歩き回る 物静かな鳥


日差しの眩しい 明けたばかりの朝


誰ものものでもない どの季節でもない


季節の狭間。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ