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歴史の生き証人  作者: ドロップスター
1章 偽史の始まり
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獅子頭と少女1


ルマニアは頭を抱えていた。

何故かと言うと同僚の女が訳ありの女の子を自分に預けてから半年が経っていたからである。


彼女を自宅に迎え入れ、妻と子に紹介した。

妻も子も暖かく彼女を迎えた。

最初のうちは遠慮しているのか口数は少なく、俺とはあまり話さなかった。


数ヶ月が経ち俺とも日常的に会話をする様になっていた。しかし・・・


「ルマニアおじ様、稽古をつけて下さい。」

ルマニアはさらに頭を抱えてしまう。

(どうしてこうなった・・・。)

最近のエリザベートはこんな感じだ。


「何のために強くなりたいんだ?」

「強くなって妹と姉様を守りたい!」

「志は立派だがダメだ。」

「え〜。」

本音は稽古をつけてあげたいのだがあの無責任の放浪者、もとい不死にして(ハナ・)最強の不死狩り(アオイ)がなんと言うだろうか・・・。

因みに彼女は王命を受けているようで暫く国に戻っていないらしい。


(一体どうしたら良いのだろうか?)


「ハナ様には後で伝えればいいんじゃないの?」

俺が悩んでいると妻のラナはこう言った。

「女の子だって引けない時はあるのよ?」

獣人には強い女性が男性に求婚する習わしがある種族もいる。というより獅子頭族はその習わしです。


「そうだな。少しずつで良いから教える事にする。」



翌日

「エリー、よく聞きなさい。お前に稽古をつける事にした。」

するとエリザベートはものすごく喜んでいた。

実子である息子のライオは戦闘に興味がないので俺が学問を教えている。




「え?」

話を聞いていた若者達は驚いた。

自分達が知っているルマニア・レオンは脳筋で簡単な計算も出来ない様な人物として有名だったから。



「お前ら、俺の事を脳筋だと思っただろ?歴史に書かれてる俺は脳筋なのか?」

ルマニアのこめかみが僅かにひくついている。

獅子頭に睨まれた若者達はビクついている。


「おじ様、私もそう思っていましたから・・・。」

この女吸血鬼の一言でルマニアはだいぶ凹んでしまった。


「他の奴らの頭が良かっただけだ。その点、一番の脳筋は・・・。」

ルマニアは空を見上げながらそう呟いた。





「さて、話を戻すとしよう。」







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