表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史の生き証人  作者: ドロップスター
1章 偽史の始まり
4/60

最後の吸血鬼の誕生 後編

「ヴァー。」

「ゔー」

窓の外から見えるのは魔物と化した村人であった。

「ハナさん。娘達を頼みます。」

「早まるなリクシン。嫁と娘達を地下のシェルターに避難させに行け。時間は私が稼ごう。仕事柄得意なのでね。」

と言ってハナは外へ出て行った。



元村人を鑑定しながら封印をかけている。

村人ゾンビは彼女の知識にあるゾンビ化とは違っていた。

「しまった!そういう事か。リクシン達が危ない。」


鑑定で視えた共通のスキルは〈感染〉。

噛まれるとゾンビ化する。

ただし、ここからが厄介でゾンビ化する前のスキルも使えるという点だ。

「村人の中に瞬間移動を使える奴がいたな・・・。早く封印しに行かねば。」




リクシン一家と使用人、それと医者はシェルターの入り口まで来た。

が瞬間移動持ちの元村人が何人か先回りしていた。

「奥様、お下がりください。」

執事長とメイド達が武器を取る。

元村人が「ヴァー」と奇声をあげたと思ったらリクシン一家以外、噛まれたような傷跡ができていた。

「ぐ、コレは・・・親方様・・・急いでお逃げ下さい。」

執事長は悟った。間も無く、自分達もゾンビ(アレら)の仲間になると。

「アナ、ニコラ、ニーナ、それにセバス。ありがとう・・・。ごめんなさい。」

「奥様・・・。お気になさらず。」


シェルターは駄目だと判断したリクシンはハナと合流する事にした。

「ソアレ。グレイの未来予知(イメージ)だと襲われた時は屋敷の中で他に誰もいなかったんだよな?」

「ええ。3()()()()()()()()()()()()

「果たして未来は変わってるのか?」

リクシンは疑問を抱いた。

その未来にはなぜ自分達がいないのかと。

その答えは直ぐにやって来た。

玄関まで逃げて来た時、扉が外から開けられた。

「あなたは・・・」

とリクシンが言ったと同時に屋敷が爆発した。




「コレは酷いな・・・。」


「オギャー。オギャー」

赤ん坊の泣き声が聞こえる。

「エリー?エリー!」

それと声がもう1つする。

「あなたは誰?」

「少し眠るといい・・・。」

ミオに近づいた人物は催眠魔法をかけてミオを眠らせた。



「我の名は、ハイトマン・ナターシャ・アース・オルティシア・イース。種族は吸血鬼だ。」

「・・・。」

「死にかけの人の子よ。エリーと言ったかな?そなたを我が眷属にする。適性がないなら、外にいる魔物(ゾンビども)と同じ様になるだろうな・・・。」

エリーは思った。夢である聖女に成れず化物になるくらいなら、このまま死んだ方が良いと。

だが、吸血鬼は無慈悲に彼女を吸血鬼へと変えていった。



〈現在〉セントラル王宮跡

「こうして、最期の吸血鬼が誕生した。」


・・・俺たちの目の前にいたのは銀髪の美女だったよな?

黒髪の男の子みたいな少女・・痛っ!

「誰が男みたいな女だって?」

吸血鬼は笑顔で殺気を放っている。

何故か仲間の女性陣も殺気を放っている。

お前が悪いと言わんばかりに・・・。

「申し訳ございませんでした。」

「わかればいい。」


「質問のある者は?」

俺たちの仲間である魔女が手を挙げた。

「キャロルといったか?」

「え?どうして名前を?」

俺たちがどうしてという顔をしていると

「そうか、鑑定の能力は廃れたのか」

と残念そうに言った。

「まぁ、それは後で話すにして何が聞きたい?」


「私たちが習った歴史では最期の吸血鬼は自ら望み不死人となったとされています。」

「私が語ったことは真実。人だった私の名は・・・」


俺たちは驚いた。

眷属の吸血鬼と聞いて討伐に来たのだが、実際は違った。

その名前は先程登場した村娘の1人と同じなだったのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ