獅子激昂
ルマニアは今回の事に対して激昂していた。
「ルマニア殿、怒りを鎮めて頂けないか?気に当てられて、数十名程泡を拭いて気絶してしまってるのでね。」
まずは危険な事をした、同僚。
アルフが使用した魔法は“虹の技法”と呼ばれる不死狩りの奥義とも呼べる代物。
これはこの世の理から外れた不死人や神の使徒といった存在をも討ち滅ぼすといったとてつもない威力の魔法である。
そんな魔法を吸血鬼とはいえ少女に向けたのだからルマニアの怒りは当たり前である。
次に魔法を撃たれた少女エリー。
彼女はアルフが詠唱に入った直後から高度な結界魔法を使っていた。
これにはルマニアも驚いたが、更に驚いたのはその魔法の対象が会場であった事。
会場中の誰もが推し量り間違えたアルフの魔法の威力を把握してるかの様に迷いなく結界を張っていた。
結論からいうとエリーに魔法が直撃した。
しかしエリーは無傷で立っていた。その後に気絶したが・・・。
あの娘が使っていたのはローズ技法という技法で使い手は世界に2人しかいない。
仙人と不死狩りの2人。
仙人の爺様は弟子を取ることはまずない。
という事は・・・。
さて、問題はこの2人にそれぞれの技法を教えたバカをどうするかだ。
「良かったなエリーBランクスタートだぞ!」
そこに元凶が入ってきた。
ルマニアは怒りを拳に全て乗せて放った。
ハナはその一撃を避ける事もなく食らった。
一瞬、ハナの腕が吹き飛んだかに見えたが腕は付いていた。
「オイオイ・・・服は再生されないんだから勘弁してくれよ。」
「お前のせいで危うく死人が出る事態だったんだぞ!」
突然、ルマニアに怒られたハナは
「私のせいじゃなくない?」
と言ってルマニアを殴り飛ばし返したのであった。




