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瑞穂国戦記 ―幕末血風―  作者: 九蓮 開花
序章 小野鉄太郎、大石種継と出会うのこと。
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序章 幕末開幕


 天紀2513年。


 この日、瑞穂国は最大の転機を迎えることになる。


 魔導力学の粋を集めて作られた『魔攻船』四隻が到来し、魔術と科学の融合した近代西欧文明との接触により、300年間にわたって瑞穂の国を支配していた江戸幕府の支配基盤は揺らぎ、世には尊王攘夷思想と呼ばれる異人排斥主義者が横行するようになった。


 過激化したそれは海外勢力への強い敵対意識とともに吹き出し、暴走した志士は時に幕臣への襲撃や暗殺を行い、過激化した志士に感化された諸藩は時に、幕府に牙をむくようになる。


 その動乱の渦中に存在していたのは、西南雄藩と呼ばれる巨大な力を持つ四つの藩であった。


 西南雄藩の筆頭である長州藩では、早くに思想家である吉田松陰の師事の元で『松下村塾』が起こり、その私塾で学んだ桂小五郎を始めとする志士は長州の枢軸を担う存在として出世し、高杉晋作を筆頭とする松下村塾四天王、久坂玄瑞、吉田稔麿、入江九一らは『奇兵隊』を結成する。


 薩摩藩では、下級藩士であった西郷隆盛が主宰する『輪読の会』に集まった志士が、島津久光の元で出世を重ね、尊王攘夷の思想の元で幕府に深く食い込み始めていた。


 土佐藩では、武市半平太率いる『土佐勤皇党』が勢力を拡大し、後に『海援隊』と『陸援隊』を組織する英雄、坂本龍馬も又、徐々にその才覚を表し始めていた。


 そんな中、幕府は過激化する各地の攘夷浪士に対する抑止力として、各地の農民を武士に取り立て、近藤勇、土方歳三を中核とした『新撰組』が結成されることになる。


 そんな時代の最中に、ただひたすらに剣の道に邁進することに生涯を捧げた者がいた。


 男の名は、山岡鉄舟。


 幕末最強の剣士として名を上げ、新撰組創始者となりながらも、奇兵隊剣術師範を務め、そして、海援隊最大の後援者となりながらも、その時代の中に消えた男である。


 これは、語られなかった英雄と、その英雄に守り、助けられた英雄たちの群像劇である。


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