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守るために必要なもの 作者:五条 雄二
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1-3

「なるほどね。攻撃するための武器がほしいってわけね」
「はい……」
「なんかないか? 守恵さんに合いそうな武器」

 恵美は思案する。守恵の能力はバリア。それと併用してうまく使えそうな武器。あと雅人と完全にかぶると面白くないので、刀以外で考える。

「そうね……。懐剣なんてどう?」
「懐剣ですか? なんですかそれ?」
「小っちゃい剣のことよ」

 懐剣もまた身を護るためにあるようなものだが、守恵の能力と合わせて使えば、かなり良い武器になると考えた。
 バリアを使い、敵に迫る。ギリギリまで近づいて、懐剣をつかい敵を葬るということだ。

「なるほどね。それなら守恵さんに合いそうだ」
「でしょ? まぁ今すぐは用意できないけれどね。一週間くらいかかるから、まぁその間は雅人と一緒に退治に出かけるかなんかして、戦い方を学びなさい」
「恵美さん、勝手に決めないでくれ……」
「あっ、ありがとうございます!」

 なにやら勝手に話が進んで、懐剣を貰うことになってしまった。

「あぁ、あとお代はいらないわ」
「えぇ!? なんでですか? 武器なんて絶対高いじゃないですか!」
「大丈夫よ。お代はいらないけど、その分働いてもらうからね」
「働く?」

 働くと聞き、ここのカウンターで働く自分を想像する。コーヒーショップという大人の魅力のある店で働く、容姿が子供の店員――。全く似合わない。

「わたしコーヒーのことなんて全く分かりませんよ……?」
「違うわよ! モンスター退治のことよ。私たちは能力者を支援して、モンスター退治をしてもらってるの。だから武器も無料であげるし、できるだけの手助けはする。だから武器はあげるけど、しっかりモンスターは退治してもらうってことよ」
「そういうことだったんですね……」

 やっと状況が飲み込めた。このコーヒーショップは表向きはただのコーヒーを売っているだけだ。しかし裏では能力者の支援をし、モンスターの退治を手伝ってもらっているということだ。

「ついでに言うけど、このボランティアの首謀者は、ここのオーナーと同一人物よ。名前は久慈 恭雅、いつか会うでしょうから名前くらいは覚えておきなさい」
「久慈さんですか。覚えました!」

 コーヒーショップ久慈の正体を知り、守恵は攻撃力と、戦い方を教えてくれる先輩を得ることができた。今日でかなりの進歩をすることができた守恵であった。



「あーあーあー、何やってるの守恵さん! 能力とその剣うまく使わないといけないよ! だめだめだめ! 能力だけじゃ!」
「そんなこと言われても、いきなりじゃ無理ですよう!」

 現在守恵はモンスターたちにリンチされている――ように見えるが、バリアを張っているため全くダメージは受けていない。

「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「あぁ、もう! 仕方ないなぁ!!」

 結局いつも通り雅人が倒すことになった。

「―――せっかく貰った武器なんだから。ちゃんと活用しないと」
「うぅ……。ごめんなさいぃ」

 申し訳なさそうに謝る守恵。その様子をみて本当に戦えないのだなと、理解する。

「なんで攻撃しないの守恵さん?」
「……怖いんです。本当に死ぬ気がして、まったく腕が動かないんです」
「なるほどねぇ。まぁ怖いよね。あいつらも本気で殺しにかかってるんだから」

 『怖い』というのはモンスター退治を始めるにあたって、最初にぶつかる壁だ。ただただもんスターと対峙するだけで足が震える。腕が動かない。雅人もとっくに経験済みだ。
 雅人もその壁を乗り越えたから、今こうして戦うことができている。
 その時どうやって乗り越えたかは――。

「そうだ、いい子と思いついた」
「へ? 何かいい案があるんですか?」
「あぁ、あるよ」

 今まで座っていたベンチから立ち上がり、守恵に自分の案を伝える。

「モンスターに勝てる自信がないから怖いんだ。少しでも自信がつけばだいぶその怖さは和らぐはず。だから―――」

 守恵の目をみる。まだ恐怖が抜け切れていない。心なしか顔も白くなっている。
 しかし雅人は容赦なく自分の刀を抜き、彼女に向ける。

「俺と一回戦ってみようか」
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