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竜の神 竜神伝説  作者: カズトモ
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竜の神 竜神伝説





「先生!本当にここに歴史を紐解く鍵があるのですか?」




「間違いないんだ!この神殿にある!」




ある国の考古学者、霧咲開北大学(むさきかいほくだいがく)

教授、藤堂正恒(とうどうまさつね)


その部下で正恒の生徒の真東剛(しんとうつよし)




2人は国の東側の海に突如顔を出した島の神殿前にいた。




時間を遡ること体感で3時間前くらい




「先生、....遭難ですよねコレ?」



「あぁそうなん。」



「...今、ふざけるのは止めてもらえません?」



「すまん。」




僕と教授の2人はチャーターした船に乗り海の上にいた。




「教授が珍しい鳥がいたと追いかけ回すからですよ!

どうするんですか!?僕はまだ死にたくありません!」




「心配するな若人よ!船にはな通信用の機材が載っているんだよ!

それを使えば....使えば?」





「あるなら早く救助の要請を!

....どうしたんですか?顔色が青くなってますよ?」




「なっなんでもないよ~!なんでもない、...ない。」




「まさか、ないんですか通信機?」





「そうなんだ。」




終わった。



「嫌だ~!やっぱりやめておけば良かった!

この教授と同じ船に乗るなんて。」




「何を失敬な!まるで私がうっかりものみたいじゃないか?」



「うっかりものというよりストレートに言いますけど、バカじゃないですか!?

あなたはこのゼミ合宿で南の島に来たというのに、着替えを入れたスーツケースを忘れてなぜかアイドル写真集を入れたリュックサックしか持ってきてなかったじゃないですか!

空港で荷物が出てこないとクレームを出した後に奥さまからの電話でそのことが発覚して気まずい空気になったでしょ!

まだいろいろありますが、話しましょうか?」




「すいません私が悪かったです!

...くっまさか1生徒にここまで言われるとは。」



俺の前で土下座をする教授。



しかしどうする?右も左もわからぬ海の上にこの教授と2人きり、



....終わった。




「教授、死んだら僕たち鳥の餌ですかね?うふふ。」



「いかん!意識をしっかり保ちなさい!

真東君!

んっ?なにやら動かなかったか?まさかサメが船に体当たりしてるのか?」




「そうか僕はサメの餌になるんだ。うふふ。」




「いや違う!真東君!早く何かに掴まりたまえ!

津波が来るぞ!」




はっ?何を言ってるんだこんなに快晴な空の下、津波なんて。




「うぉ~!」



来てるでかいのが、船が飲み込まれ....




僕は意識を失った。

















「真東君。真東君!」



「きょぅ...じゅ?」



「良かった目を覚ましたか?」



教授に体を揺らされ目を覚ましたみたいだ。




「ここは?」



「おっと!?いきなり体を起こさないでくれ!」



「大丈夫ですよ頭を打ったわけでもないので。」



「違うよ!バランスが崩れるんだ。

ゆっくり起きなさい。」



何を言ってるんだ?

教授の指示通りゆっくり体を起こして船の外を見る



あれ?空?海がえらく下に見えるな。



下?...下。



えー!

僕たちが乗っている船が高い塔のような建造物の上に乗っていた。


下に広がるのは赤い屋根を特徴とした大小様々なたくさんの建造物




「ここはどこですか?」



「ここから見た限りではどこかの島だろう。

海に囲まれているそれ以外は私にもわからん。

こんなデザインをした建造物は今のどの国にもないよ。もちろん昔の文献にもね。」



「先生でも....わからないなんて。」



普段はバカだが。

世界的考古学者である藤堂先生がわからないと言う建造物

一体なんなんだ?




「しかもこの塔に使われている石の材質すらわからない。

そもそも石と呼べるものなのか?」



先生は船から身を乗り出して塔に触れている。


身を乗り出して?



「先生、今の僕たちの状態を忘れていませんか?」




「あっ!すまん!」



謝ってんじゃねーよ。

船は重力に逆らえずに船の先端を下に向け塔の壁に擦れながら落ちていく。




「うわぁ~!どうするんですか先生!?」



「焦るな真東君!とりあえずそこの操縦室の入り口に立つんだ!」


なんとか先生の指示通りにしたのだがここからどうするのか?




「そうだいいぞ!後少しで地上に落ちる!私の合図で全力でジャンプしろ!」




わかった!先生が考えてることはわかったけど!

そんな漫画みたいな。




「今だ!!」



全力で下にしている操縦室の入り口の上を足場にジャンプした。



船は地面とキスをして僕たちは先生の奇策が成功して助かった。




良かったよ~!先生!




「....まさかうまくいくとは、信じられん!」



やっぱ危なかった奴じゃん!奇跡じゃん!結果オーライじゃん!




「....助かったのはいいんですが。船は壊れました!」



船が壊れたら海に出れない帰れない。



「人がいればいいんだがな。今の船の落下でデカい音が鳴ったが、誰も出てこないということはこの島には人がいない可能性が高くなるな。

それに...」




「それに..なんです?」




「この島は海の中から出てきたのかもしれん。」




はっ?島が海から?




「なんでそんな考えになるのですか?

島が海からなんて....噴火するような形状の島ではないし建造物がありますし。」




「建造物の所々に海ゴケモドキが生えている。

これは海の....しかも深海2000メートル以下のところにしか生息していない。

塔の上にいた私たち。

下から島が浮かび上がってきた所に偶然巻き込まれ塔の上に乗った。

これなら説明はつく!

島は確実になんらかの方法で浮かび上がってきたのだろう。」




マズイこのテンションになった先生は珍しい物に飛び付く子供の様になってしまう。




「さぁ真東君、建造物の中を全て調べようではないか!」




「ちょっと待って下さい!」



「なんだね?真東君。」




「私たちはずぶ濡れなんですよ。とりあえず服を乾かしましょう!

そして食事の確保です、飲み水は船の中にあるはずですが食べ物はあまり用意してありませんでした。

ですが島が浮かび上がったと言うことで魚も巻き込まれ打ち上げられています。魚を拾っておき食事の足しにしましょう。」




「確かにそうだな。そうしよう!」





魚を拾い船の元に戻るという行動を何度も繰り返していくとある程度の魚を集めることが出来たが先生が戻ってこない。



少し気になったがまずは食事の準備だ。

船の下の倉庫にしまっていたガスコンロや調理に必要な器具を取り出し集めた魚の近くに持ってくる。



ガスコンロはあるがもし何日もこの島にいることになることになればガスが切れれば使えなくなる。


この島全体がおそらく濡れてしまっている今、木材も濡れているが

乾かせば使えるため集めておくことを頭に入れておこう。




魚を捌いて調味料を混ぜて串に魚を刺してガスコンロの火で焼いていく。

煮物がいいのだが調味料や水の節約だ。




食事の形は整ってきたのだが先生が戻ってこない。


腹が減っていた僕は焼き魚を1本たべながら周辺を周り先生を探すことにした。




一軒一軒、建造物の中を覗きながら歩いていく。




すると先生の笑い声が聴こえた。




「素晴らしい!

これは...やはり。」




「先生?」



他の建造物よりも格式が高そうな大きな建物の壊れた扉から覗いてみると先生がいた。




「真東君!来てみたまえ!」




先生が建物の中から僕を呼んできたので建物の中に足を踏み入れる。

中は壁際にたくさんの本棚がありその中央のポツンと置かれた机に先生がいた。



「先生これは!?」



「わかっているよ君が言いたいことは、

この建物内のみ濡れていないんだ。」



先生の言うとおりだ。この島の建造物の中を見てみるとタンスなどの家具は倒れたり壊れていたりその全てが濡れてしまっていた。



僕は下に落ちていた紙を拾う。

おそらく読めないが文字のようなもが書かれている紙は濡れていない。




「この本を読んでみてくれ!」



先生は興奮ぎみに僕に1冊の本を手渡してくる。



「この本がなんですか?

白紙じゃないですか。」



パラパラとページを捲ってみたが白紙でなにも書かれていない。



「最後のページだ。

どうだ?」




あった。

でも文字が書かれているようだが僕には読めない。



『これを読んでいる者に伝える。



私たち人間は過ちを犯した


神は裁きを与えるだろう


神の怒りを鎮めよ』



突如、本が光り文字が読める言語に変わってしまった。





「読めたかね?」



「はい、本が光って急に....なんなんですか?」



「わからん、わからんがこの本を読んだら私にはここにある書物が読めるようになった。君もじゃないかね?」



先生に言われまだ手にしていた拾った紙に目を通した。



『魔法による生活力について』



読める!読めるぞ!



「読めます!

...でも魔法とはなんなんですかね?まさか火を出せたり水を出せたりするものですか?」



「なにやら魔方陣と書かれ絵図まで描かれた書物もある。

人間と記載があることから、昔に魔法と呼ばれる力を宿した人種がいたのかもしれんな。」



まさかそんな.....魔法なんてあるわけがない。

と言いたいが読めるようになったことも魔法が関係しているのか?




「迷うのはわかるよ。

だが人間の歴史において魔女と呼ばれる存在や人を外れた力を宿す人間の記述は世界中にあるのだ。

無いと思うことはない!あると信じれば見えてくるものがこの島に隠されている!」



先生は高々と声を上げ本や紙を手に取り読み始めた。

先生はこうなってはやっぱり駄目。

僕も諦めて先生の手伝いのため書物を読み漁る。



読んでいると気になる文書が書いてあった。



神と呼ばれる者が人間の前に飛来した。


神は人に知識を与えた。


人は知識により色々なものを作った。


人は知識により人間より大きい魔物と呼ばれる獣を倒せるようになる。


人は神に供物を捧げた。作った工芸品、狩った魔物の肉。


気を良くした神はさらに人間に力を与えた、魔法と呼ぶ力。


人の国は魔法の力によりさらに発展した。


人は神のために神殿を建てて神を信仰した。


神は神殿に住み着いた。


神は選んだ人間に神託を告げるようになった。


選ばれた人間は国にて絶大な権力を得た。


国に人が溢れた。人が溢れて住める土地が少なくなった。


人は奪うことを考えた。


神の名の元に他の人間の国への侵略を始めた。


魔法を使えるこの国は幾度も勝利を重ねていく。


それが間違いだった。


神は人間に神託などは告げていなかった。


神は神殿にて眠りについていただけであった。


この家の主であった者はそのことに気付きこの本を残したようだ。


このことを神に伝えてという文書を最後に本の記述は終わった。




本を書いた主は選ばれた人間の話を盗み聞きして気付いたみたいだな。

そして神に伝える、神殿に向かうということだろうか?



それから1時間程は書物を読んでいたが作物量や武器の帳簿が見つかるだけで大した記述があるものはなかった。

この家の主は領主ほどの地位の人だったのかな。



「真東君!」



先生が声を大にして呼んでくる。

何かあったのか?




「...お腹すいたな~。」



僕は呆れながらも持っていた焼いた魚を手渡した。


「うまい!うまいぞ真東君!」



黙って食べてください。



「先生、神殿とはどこを指すのでしょうか?」


「やっぱり気になりますよね!

おそらくですがこの家から見ると、あちらの方角にある建造物のことですよ!

塔の上に引っかかっていた時にも見ましたが豪華の一言につきる建物でしたから間違いないでしょう!」



先生は家の出入り口と逆の方角を指さしていた。



あっちに神を奉る神殿があるのか。




「行ってみましょう!

そこに様々な謎があるはずです!」


焼き魚をくわえながら変なポーズをとる先生。




「ですが先生、まずは僕たちが帰れるように船を造らないとあまり時間がかかると僕と先生の体力が持ちませんよ!」



「嫌です!一番に私はこの島の謎を解き明かしたい!

心配しなくとも海上にこのような大きい島が現れたのです、私たちの国の人間も気付くので救助は来ますよ!」



確かに先生の言うとおりかも知れない。

でも100%じゃ....



「さぁ行こう!未知の神殿へ!

一番乗りはもらった~。」



先生は焼き魚で腹を満たしたのか走りだしおそらく神殿へ行ってしまった。



「待って先生~。」


あの人確か、今年70になるって言ってなかったか?

置いていかれぬように先生を追う。




で冒頭に戻る。




先生に追い付いた僕は、

...追い付いたというか途中から先生はへばってしまい歩きになっただけだが。




「どうやって入れるんですかこれ?

押しても開きませんよ。」



身の丈の2倍はある大きな扉をどうやって開けと?




「甘いな真東君!

こういう神殿の扉とは神の通り道であるため、人が入る扉は別にあるのだよ。

だからこっちのほうに.....


やはりあった!ここが本当の入り口だよ!」



先生が扉の左側に人ひとりが入れる道を発見した。

でも...




「先生、人間の入り口って四つん這いで通るような道のことを言うんですかね?」



先生が入って行ってしまったので後を追うように僕も入ったが、どう考えてもこれは通気口だと思います。



「甘いな!

神とは崇める存在なのだ、人が頭を下げて入室するのは当たり前だぞ!」



それらしいことは言うんだな。




通気口を通って行くと上下にアップダウンはあるものの一本道であるため迷うこともなかった。

道端も広くなり先生と2人並んで通れるようになった。



「先生どこまで続くんですかね?」



「わからん、次は右だな!

なんだと?」



右に通路を曲がると鉄格子の行き止まりだった。



「どうするんですか?」



「心配するな!こういう時のために用意はしてある!」



先生は手に鉄でも切断できる電動カッターを持っていた。

どこに持っていたんだよ!?



聞きたいことは色々とあるが、鉄格子の切断に取り掛かる。



人が通れるほど鉄格子を切断すると先生から外に出た。

続いて僕も出る。



そこに拡がっていたのは、驚愕のものだった。




「なんなんだよこれ?」

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