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神樹の森:9

「ほら、もう連れて行かないから顔を見せてくれ」


「そろそろ戻らなければなりませんので帰る前に顔を見てさよならをさせて下さい環」


「オレ達は環の意思を無視して無理強いなんてしないから大丈夫だ。ココに居たいならココに居たら良いし他の国へ行きたくなったら連れて行ってやる約束だ」


「そうですよ。他の誰かが強硬手段を用いようとしても私達が貴方の意思を尊重するように協力しますので安心してください」


お爺ちゃんにしがみついて離れず顔も向けないで恥ずかしいのもあってイヤイヤを繰り返していたら二人から頭をナデナデしつつ謝罪と帰りの挨拶を顔を見ながらしたいと言われた。声からもウソは言ってなさそうだし玉も琥珀も大丈夫だと言ってくれる。お爺ちゃんも挨拶は大切じゃって促される。


って、あれ?頭を撫でられた?蔦でも前足でも無い感触に確認する為にも振り向けば高校生くらいの青年が二人優しい顔して笑っていた。


スポーツマンタイプの爽やか系お兄さんで金髪で赤い目の人と物静かな美人系の黒髪に青い目のお兄さん。巨大な金狼も黒猫もいない。でも声は紅さんと黎さんだったということは!?


「ふわっ?」


人?最近活用してなかったデーターベースへアクセスすれば守護獣は人との接点が多く生活に馴染みやすいように人型をとるのだとか。あの巨体がどうして普通に170センチ~180センチ位に小さくなれるんだ?


それに服も着てる。それぞれ髪と同系色で学ランのようなチャイナ服のような横にスリットが入って動きやすさも考慮されてそう。服は東洋風なのに体系は西洋風で筋肉も綺麗についてるみたいで腰の位置も高くスタイルが良い。


こ…これは!?妄想し放題!!獣スタイルではモフモフ萌えしかなくて腐萌えはできなかったけど今の二人の姿なら薄い本が大量に作れるくらいネタが…ってお金も時間もかかるらしいので作った事はないけど作っていたクラスメイトにネタ提供はしていた。腐萌えって湧き出すんだよね。



紅様:黎夜のその細い腰を抱き寄せ少し硬くなった自身のソレを擦りつけ耳元へそっと囁く

黎様:耳元で囁かれた言葉と腰に当たる紅輝のソレの感触にほんのりと頬を染める

紅様:なぁ~今夜…良いか?

黎様:…言わせないでください

紅様:じゃ~今夜窓を開けて待っててくれ

黎様:無理はしないでください。でも私はずっと待ってますから…



うぎゃ~この地に生まれて久々の萌えぇ~うぉ~


「お~い環。どうした?ぼうっとしてオレ達が判るか?オレだ紅輝だ。大丈夫か?」


「この姿は初めてですね。黎夜ですよ。人型の方が驚かれるとは思いませんでしたよ」


はっ!

いかん妄想の海に溺れるところだった。もちろん妄想中でも顔には出さないで脳内で萌えたおすのが常識。声良し顔良しスタイル良しって二人を側で見ているだけで薄い本数冊分のネタが湧いてくる。これだけの美形なら周囲も放っておかないはず!


3歳に二人の国へ行く事は確定みたいだし体力付けて萌えネタを大量に見つけて無双計画の参考にさせて貰おう!二人がこれだけの美形なら他の守護獣達も美形なはず!5歳の時にも7歳の時にも他国へ行く事は決まってるんだから移動に森を抜けていくことにすれば皆にも会えるし近道だよね。


それにデーターベースには無かった人が扱う魔法。ボクには使えるみたいだし、そちらの強も化しなくちゃ。守護獣ならその守護地の属性魔法のみ使用可能で次代でも使えないらしいんだよね。才能は伸ばさなくちゃ!


元々は森の妖精さん達のお願いを叶えるために玉にお願いしていたんだけどお願いするというより頭で思い描いただけで実行可能だった。余分な枝を払うのに断面を乾燥させた方が良ければ風を、濡れていた方が良ければ水を、炭にした方が良ければ火を使った。木の種類によって枝を払うのにもカッター状にする属性を選択する。土が硬いとか水の流れが悪いと頼まれれば土を耕したり地下水の流れを加工したりもした。妖精さん達が精霊を使役しても細かいところまでは思うようにならないんだって!たぶんだけど単独属性だけでは難しいんだと思う。ボクは全属性を無意識に使ってる。だってボクが命名した”玉”は全ての精霊の総称で精霊単体にお願いしても全精霊にお願いが伝わる。何しろ僕と繋がってるからね。


これって精霊遣いなのか魔法使いなのか判断に困るけどこの世界の精霊遣いとは全く違う。妖精さん達の使役とも違う。そして極め付けが治癒魔法的な使い方。前世の記憶をもとに創造したっぽい。


歩く練習の為につたえ歩きと立っちで屈伸や懸垂の練習をしてた時に滑って擦りむいた自分の手を治療した。森にある薬草を使っても良かったけど何となくできる気がしてやってみればできた。この世に存在しない治癒魔法の初めての成功例。


妖精さん達も薬の作り方を教えようとしていたのにあっという間に治った怪我に驚いてた。それからは傷ついている妖精さんやそのお友達を頼まれて治療する事も増えた。


妖精さん達の居る森には動物は入れないけど妖精さんのお友達は妖精さんが招き寄せることで入れる。悪意や害意があれば入れないのは当然で招かれない限り入れない。森に傷ついた動物だけは薬草が豊富だから治療の為に入ることを許可している。相手が何でも頼まれたら治療した。種族を問わず治療可能で経験を積めば積む程要する時間も短縮された。イメージは人口羊水。再生医療がニュースで度々取り上げられていたので聞きかじりの知識だけど詳しく知らないからこそ想像力で補え使えたみたい。ある意味知らない部分は玉へ丸投げが良かったのかな?日頃の妄想で鍛えた妄想力ならぬ想像力。想像に腐要素があるから妄想?良く判らないけどイメージ力は強いってことだね。


治った状態を思い描けばそれで治療されていた。欠損部分も当人の細胞を培養して玉は命を育む存在だからその力を集約して再生するイメージで使うことで再生が可能になった。時間はかかるけどね。


防御も攻撃も玉や琥珀が何とかしてくれて治癒をボクが担当したら立派な冒険者パーティみたいでバランスが良いかもだね!ゲームとかした事無いけど確か攻撃担当防御担当回復担当って最少パーティメンバーだったはず。


玉の学習能力は高く一度ボクが今までにない使い方をすれば覚えてボクの側限定で勝手に真似て応用までして使いこなすようになった。何故かボクの側でボクの為にしか使えないらしい。


玉や琥珀に回復や治癒が必要だとは思わない。当初の計画ではボクが強くなって攻撃も防御も出来るようになるはずだったけど個々得意分野が希望と違っても適正ってあるから仕方ないよね。ボクの無双計画は予定とは違った方向へ進んでいるけど順調かもしれない。


ムスコ無双で萌える為にも妄想力に磨きをかけて頑張る!

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