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神樹の森:5

「きゃは~」

お爺ちゃんの蔦の技術をまずは見て盗む。その為にもお爺ちゃんの蔦捌きを知る為にどんな事が出来るのか精霊さん達の全面協力の元遊び倒す!


精霊さん達のお陰で思い通り自由に体の移動(浮いてます)が可能なのでお爺ちゃんの周りをグルグル飛んだり木のてっぺんから真下に垂直落下してみたり蔦と追い駆けっこする。


たまにお爺ちゃんの操る蔦でブランコやバンジージャンプもどきといった遊びにも活用して動体視力とか肉体強化に少しはなるかな?少なくともバンジーで関節は強化されているよね。脱臼は癖になるらしいから気を付けないと!


そんなこんなで赤子がするには危険な行為も常に精霊と共にいる為か恐怖心は全くない。前世では絶叫系はダメだったんだけどね。精霊への全幅の信頼関係の成せる技か?もしくは実感が無いのかもしれない。夢の続きのような気がして…


精霊は好奇心旺盛ではあるが飽き症なので子守をいつ突然辞めてしまっても良いようにお爺ちゃんは常に危機回避を念頭に置いて対処してくれる。本当に優しくて面倒見が良いお爺ちゃんです。透けてるけど…データーベース情報では人嫌いらしいんだけどボクにはとても優しくて短期間ですっかりお爺ちゃん子の完成です。


もちろん精霊さん達の力での自由行動だけじゃなく寝返りやハイハイ前の匍匐前進や滑舌訓練も欠かさない。毎食与えられる仙乳のおかげか成長は著しいとはお爺ちゃん談。


「じぃ~じ、じぃ~じ」


言葉も増えたし同時通訳機能もあまり頼らなくなってきた。触手ならぬ蔦技もデーターベースでエアプランツ系で使えそうなものを見つけ現在お爺ちゃんによる特訓中。言葉がイマイチ通じないけど見つけてきた蔦を操ろうとしている事は伝わった。ジェスチャーは異世界でも通じる共通語です。


お爺ちゃんの場合は自身へ寄生させているので簡単に長短等をコントロールできるけどボクの場合は寄生させている訳ではないので難しく手探り状態で試行錯誤を続けている。色々調べたけど今まで植物を操っての防御や攻撃を試みる者がいなかったらしい。実用化できれば便利だと思うんだよなぁ~普段は髪や手首にでも付けておいていざという時に鞭の様に使って攻撃したり拘束したり相手の攻撃を弾き返したり使い勝手は良いと思う。もっと進化(?)して自動防御とかしてくれると大助かりなんだけど蔦への力の供給方法が判らない。


精霊さん達が居るんだし魔法とかありそうなんだけど、この世界で人がなれるのは精霊遣いだけ。精霊遣いが出来るのは精霊の気配を感じてお願いする程度で魔法とも呼べない。ボクは精霊さん達が見えて意思の疎通も力を借りることもできる。


一方的に精霊さん達に全て依存しているだけだから申し訳ない限りで見る以外はボクの力ともいえない。何故か最初からずっと何の見返りもなく側にいてくれて力を貸してくれる。その答えはデーターベースにも過去前例が無く直接精霊さん達に聞いても宝物だからの一言。皆同じ答えだし何故宝物なのかも不明。ただ毎日楽しそうだってことだけは判る。


お爺ちゃんに質問するにも語録が少なく会話が成立しないしジェスチャーにも限界がある。判らない事は後回しにして今は出来る事をしようってことで掌の上の小さな蔦を大きくする練習からだ。


「むぅ~」


お爺ちゃんに手のひらの蔦を見せた後に自分と糸電話を繋ぐイメージをしてみる。誰にも出来ない精霊との会話が出来るなら蔦とも簡単に会話が出来る筈だって会話出来ればどうすれば良いか蔦が教えてくれるってお爺ちゃんは教えてくれたんだけど難しい。


蔦と会話するってお爺ちゃんの言葉から糸電話をイメージしてみたんだけどどうかな?精霊さん達みたいに腐思考が駄々漏れで蔦に忌避されてるんじゃなければ良いんだけど腐思考は止まらないから諦め一択でお願いします蔦さん。妄想は生きる活力で源でボクの根源なので失えません。


チリン


「ふえ!?」


鈴の音のような可愛い音がしたかと思えば手の上の蔦が伸びて広がりボクを優しく包み込む。

蔦も見えてるけどスッポンポンの緑の髪にトパーズ色の瞳をした5歳くらいの可愛い幼女が透けて見える。


幼女キター!!


周囲の精霊さん達と小踊りしていると幼女に笑われた。可愛い笑顔だなぁ~と癒されてたら精霊さん達とは違う音色の声が届いた”名前を付けて”って名付けなんてした事無いけどトパーズ色のキラキラした瞳が美しいので琥珀こはくとしか思い浮かばなかった。


この世界の文字はもちろん日本語ではないけど脳内変換される時に音に合わせて漢字が出てくる事があるので漢字の意味を持たせて名を付けたら、そのまま伝わり喜んでくれた。やっぱり思考駄々漏れ。そして幼女の笑顔マジ危険。”これからずっと守ってあげるね”はヘナチョコ男子へのお誘いか!?ボクも琥珀を守れるように強くなるね。将来の無双の為にも!とりあえずは女の子がいつまでも裸なんて体を冷やすからダメ。


ふわっふわなドレスを着せたいって妄想してたら思い描いた通りの淡い黄色地に白いレースをあしらったワンピースを着てくれた。髪型はもちろんツインテールに同色のレースのリボン。悔いなし!


幼女の裸に劣情を全く抱かなかったので変態ではなく性癖はノーマル(?)のようで安心した。幼女は愛でるもの。可愛いは正義だ!


たまたま選んだ蔦には妖精が宿っていた。お爺ちゃんはもちろん気付いていたので会話出来る筈だって教えてくれていたんだね。こんな小さな蔦にも妖精って宿るもんなんだ。


妖精についての情報は長生き長持ちが付喪神になるって日本の伝承とイメージが重なるので古いものにしか宿らないのだと思い込んでた。お爺ちゃんが基準だったから。


蔦の妖精に名付けをしたら精霊さん達が自分達にも名前プリーズって大合唱しだした。最初の頃に個々への名付けは無理だって伝えてあるから皆で一つで良いとの妥協(?)案付き。


今まで精霊さん達と呼び慣れて違和感はなかったけど長いよね。全体に共通項を名前にするならたまでどう?玉座とかって偉い人の席のことを言ったりもするから玉って丸くて偉いみたいな感じが伝わるかな?猫の名前みたいだけど親しみやすくて呼びやすいと思うんだよね!気に入ってくれたならボクも嬉しい。


玉これからも宜しく。もちろん新しく加わった琥珀も宜しく。


ボクはまだまだ赤子で皆には迷惑ばっかりかけるけど出来ればずっと仲良く一緒にいたい。うん、会話できるだけでもハッピーだ。


こうして赤子(人ただし異端)と玉(精霊S)と琥珀(蔦の幼女で妖精)のキャッキャフフフな特訓生活が始まった。お爺ちゃんは置いてきぼりにされて拗ねちゃったけど琥珀がお爺ちゃんに挨拶したら自ら強化特訓を申し出てくれた。ボクまだ赤子だから手加減プリーズってお爺ちゃんの特訓相手は琥珀だった。琥珀の希望もあってボクの守り手に育てるんだって張り切ってる。


ボクによるボクのムスコの為の無双計画がお爺ちゃんによる琥珀の為の強化特訓になっちゃってボクを強化してのムスコの無双計画はどこかへいっちゃったね玉。防御力を手に入れたってことで次は攻撃力?それより赤子からの成長だよね。ムスコともども成長しなくちゃ無双もできないや。こればっかりは時間が必要で努力だけじゃどうにもならないね。

2016.4.2 20時 一部修正・追加

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