赤と青の国:5
神殿の前まで何事もなく到着した。若干(?)目立っていたけれどそれは諦めるしかない。赤い髪が多いこの国で金髪と黒髪の人外なイケメン二人とあり得ないとされる異端な色である銀髪の幼子の組み合わせで目立たないはずがない。
神殿前に到着すれば待たされることもなく、というか出迎えに綺麗なお姉さんが出てきていた!!赤の国の次代だきっと。だってずば抜けて美人だもん!
おぉ~次代が女性だとは分かっていたけど光守様とは少し違ったワイルドな女性だぁ~光守様が騎士系ならこちらは紳士的な野盗系?義賊って感じかな?
でもそんなチョイ悪チックな顔だけど眼差しはとても優しくて温かいものが宿っている。そして茶目っ気たっぷりで親しみやすそうだ。
次代同士はお互いの居場所がわかるようになっているんだろうか?
それともおかしな3人組情報が届いたので、わざわざ出迎えに出てきてくれていたのかな?
「久しいな紅輝、黎夜。そして初めましてだな翁の隠し子」
えっ?
か…隠し子って扱いになってるのいつの間に!?
お爺ちゃん年寄りの冷や水じゃなくて…若気の至りでもなくて…そうだ!
老いらくの恋だ!!になってるのかぁ~すげぇ~お相手は誰になってんだろう?
「ふぉえぇ~」
「環アホ面全開だぞ。蘇芳久しぶりだが変わりないようだな。それにしても、お前初めましての挨拶がそれってどうよ」
「まったく…幼い子供の前で何て根も葉もないようなことを言うのです蘇芳。本当に相変わらずのようで嬉しいような残念なようなですね」
呆れ顔の二人に若干気まずげな残念美女。周囲は誰も突っ込めないし目も合せようとしないこの状況ってどうにかするのはボク!?
「あ…あの初めまして環です。お世話になりましゅ」
くっ久々に噛んじゃった。抱っこされた状態でお辞儀しながら慌てて挨拶したからだきっと。じゃないと最近は滑舌も良くなってきたって森のみんなも褒めてくれてたのにきまらない。二枚目気取りの三枚目キャラなのボクって…残念過ぎて泣けてきちゃうよ。
「あぁぁ~環泣かなくても大丈夫だ。ほら蘇芳お前さっさと謝れ!!」
情けなさ過ぎてポロリと涙がこぼれたボクに何を勘違いしたのか大慌ての紅さんに残念美女な蘇芳さん。落ち着いている黎さんはボクを紅さんから引き取ってあやしてくれる。
慌てさせてゴメンね紛らわしいよね。
子供の体は感情に敏感に反応して泣くつもりが無くても勝手に流れちゃうんだ。
「大丈夫ですよ環。ご挨拶もできましたし火守様へもご挨拶へ行きましょうね二人は放置で大丈夫ですからね。あぁ~神殿の造りは同じですから案内は不要です」
二人につられてオロオロする神殿の者達へもそれとなく指示を出しながらも、そつなく対応しつつ神殿の奥へと進む。もちろん不要だと言われても神殿側の上位者と思われる人もそばに付き従いそれとなく道をあけさせる。
プロだ。
それにしてもこの地の次代を放置して大丈夫なのかな?流れていた涙も驚いたからか黎さんのポンポンが効いたのか元々が反射的な涙だったからか、いつの間にか止まっていた。
通された部屋で一人の男性が出迎えてくれた。肩に届くかどうかといった長さの落ち着いた深みのある深紅の髪は撫でつけられていて深く澄んだアーバン色の瞳には知的な光が宿っている。ガッチリした体形に落ち着いた大人の男性が醸し出す雰囲気に気後れしていると、そんなボクに気づいたのか表情を和らげてくれた。
おぉ~すっげぇ~惚れてしまうやないですかってダンディな小父様。
目じりの小じわがさらに素敵度倍増っす!
きっと若者に手取り足取り腰取りあらん限りのテクを教えてあげようとか渋い声を耳元で囁きつつ美味しく頂くキャラ担当ですね!脱いでも凄いんですよ的な半端無い胸の厚みに太股からお尻背中へかけての曲線がきゅっとなっててセクシーでカッコいい!!
くぅ~立ち姿だけでこれってトップモテル級ってくらいカッコイイ。実は見たことも無いけど想像上ではきっと超ド級のトップモデルだね。
セクシーだぁ~おぉ~ぉぉ~涎がぁ~出そぉ~じゅるり
年齢とともに重ねた経験で青年たちをメロメロとかありでしょう!!
そう美中年と美青年のめくるめく禁断の恋!
粘り強くねちっこい腰使いとかぁ~きゃ~!
経験と実績からくる自信に裏打ちされたテクで翻弄!
デキル男はこうでなくっちゃですよ。
薄っぺらいハリボテ男と大違いの男が憧れる男の中の男
余裕があって貫禄があってチョイ悪チックなワイルドでいて茶目っ気がありそうで隙なし!
ボクの見た目では目指すのが難しい男くささだけど…
そして目元を和らげただけで雰囲気が変わって笑顔がかわいいっす
大人になっても少年のような心を忘れないところに女性だけでなく男性もコロッといっちゃうんだ。
仕方ないわねぇ~とかしょうがないなぁ~みたいな
話題も豊富で何も知らない若者にも合わせられる気遣いが憎いね。よっ色男!!
そして一番重要なのは萌!ですよ
トップ オブ ザ 萌え!
あぁ~青年達に大人の色気と余裕で手ほどきとかきゃ~あり!ありです!!
転げまわって床バンバンしたい!!
「ほら」とか「こう」とか「ここ」とか「こちらは」とかとか語句だけ並べるとイタイケナ幼児にイタズラする変態チックな感じだけど、手取り足取りいろいろフルに使って楽しく頂いちゃうんだ
はっ!?
妄想している場合じゃなかった挨拶しなきゃですよ。第一印象はとっても大切です!
「初めまして環です!しばらくお世話になります。宜しくお願いします」
どれだけ妄想してたかわからないけど慌ててペコッとお辞儀をしてニコッと笑ってのご挨拶は幼児の基本
「はい。初めまして私が赤の国守護獣の火守。あぁ~楽にね。部屋は黎夜と紅輝とともに離れで生活できる用意をしているので自由にしてくれて構わない。何か不自由があれば、何でも直ぐに言ってくれ。黎夜も気づいたことがあれば言ってくれると助かる」
「ありがとうございます。しばらくお世話になりますし何か私で出来る事がありましたら遠慮なく仰ってください。このような機会は滅多にある事でもありませんので多くの事を経験できればと思っています」
如才なく対応する黎さん。多くの事を経験だって!くふふ…やっぱりだよぉ~萌え乙!
「分かった。あぁ~ところで予想はつくが一応確認したい。次代の蘇芳に迎えに行かせたのだが、もう一人の来客である紅輝含めてお前達と一緒でないのは何か理由があってか?」
この質問に対してはボクと黎さんはお互いの顔を合わせて苦笑で回答とした。だってバタバタと大きな足音が近づいてるから本人達が説明した方が良いでしょ?
妄想ばかりになってしまった。




