赤と青の国:3
「お爺ちゃん。ボクの守護の儀の予定がどうなってるか知ってる?」
もしかしてお爺ちゃんには連絡が入っているかもしれないと聞いてみた。だって意外と面倒見が良くて連絡もマメにくれるのに今回に限って何の連絡もないなんて珍しいもん。それも紅さんも黎さんもどちらからも連絡がないなんてオカシイ!
「そうじゃのぉ~5歳で受ける守護の儀は赤と青の国だとは聞いとるんじゃがなぁ~いつじゃろか?」
やっぱりお爺ちゃんも知らない。でも国は決まっていたみたいだけどいつの間に決まったのかな?聞いた記憶が無いんだけど…
「赤と青の国?」
「おや?環は知らなんじゃったか?確か連絡を貰ったのはぁ~確か…数ヶ月前じゃったかと思うんじゃが伝え忘れておったかもしれんなふぉっふぉっすまんすまん」
「そうだったんだぁ~ボク忘れられてるのか無くなったのかと思っちゃったよ。教えてくれてありがとう」
最近お爺ちゃん物忘れが多くなったように思うんだけど大丈夫かな?木の妖精だから徘徊とかないだろうけど心配だな。妖精の老後ってどうすれば良いのか誰かに聞いてみなくちゃだし守護獣や次代の皆さんに聞いてみるしかないよね。森の他の妖精にもそれとなく聞いてみようっと。
「まぁ~いつ向かうかはそのうち連絡もあろうて…どうも他の国々では問題が発生しているそうじゃから落ち着いたらということかもしれんしのぉ~」
「問題って?」
何だか初耳が多い気がするんだけど…もっとお爺ちゃんの側にいる時間を増やした方が良いかもしれない。
「さぁ~て詳しくは知らされておらんで判らんが心配する事もなかろうて深刻な問題じゃったら環の守護の儀の話も流れたじゃろうからのぉ~」
確かに大問題だったら既に守護の儀を2回も受けてるし絶対に他の国でも受けないとダメって訳でもないんだし急に日程が決まっても困らないように心の準備だけしてたら良いかな?荷物とか特にないし何か必要だったら転移で戻ってくれば良いしね。
「わかった。とりあえず連絡か迎えが来るだろうからそれまで待つよ。確か他の国へは紅さんと黎さんが付き添ってくれるんだよね?」
知らない場所へ玉や琥珀がいるので一人で行けないこともないけど付き添って貰うか行く先の次代の方を森へ連れてきて紹介して欲しいってお願いしたら紅さんと黎さんが付き添うから安心して良いよって言ってくれたんだよね。
守護獣は守護している国をそうそう離れられないけど次代は比較的自由が利くらしく他国へはそうそう行くことも出来ないので良い機会だって逆に喜ばれた。
「そう仰っておったのぉ~環は愛されとるから爺ぃ~も安心じゃて」
お爺ちゃんが優しい顔で笑ってくれる。何だかくすぐったい気持になるけど嬉しいお爺ちゃん大好き!
あっ!もちろん玉も琥珀も大好きだからね!愛されてるよねぇ~ボクって、えへへ
「おぉ~い迎えに来たぞ」
紅さんがこちらへ向かってきているのは知っていたけどやっと迎えに来てくれたみたい。いつもなら先に予定についての連絡があるのに…
「環、こんにちは。随分不思議そうな顔をしていますがお忘れですか?」
黎さんは平常運転だ。
二人はいつもセットで来てくれるのでコレはやはり萌えて下さいっていってるようなものだよね!
どうやってか方法は知らないけど密かに連絡を取り合ってボクを理由にココを待ち合わせ場所にしてるんじゃないかと思うんだけど腐思考過ぎってだけじゃないよねぇ~にやりっ
そんな本心(妄想?)はもちろん内緒です
「守護の儀の事なら覚えてるし待ってたくらいなんだけど、いつもなら連絡が先にあるのに今回は何で無かったのかなぁ~って」
「お二方、環の為にありがとうございます。環も守護の儀を受けるのを待っておりましたぞ」
お爺ちゃんもボクが忘れていなかった事を伝えてくれる。
「あぁ~そういえば連絡してなかったな今回は色々立て込んでて忘れてたスマン」
「そういえば連絡していなかったですね。私の方も色々大変だったのですみません」
二人が遠い目をして謝ってくれるけど何か大変な事があったのかな?
「忙しいのにボクに付き合って大丈夫?」
幼児なボクには特に仕事とかないけど次代である二人には仕事も責任もあるんだし本来は国で守護獣の補佐をしながら多くの事を学ばなければならないはずだ。
側で見て実際にやってみて経験することが必要なことはたくさんあるはずだし人間には代わりが出来ないんだから責任も重大なはずだ。
「えぇ大丈夫ですよ。環は何も心配する必要はありません。本来こんなに大変な思いをする必要はなかったはずなんです闇守様がぽけぽけ我儘を言わなければ…」
「ふっ黎夜のところもか。オレの方も光守様が駄々をこねてこねてこねまくって大変だったんだ。何なんだありゃ~全く…」
黎さんがまたしても遠い目をして紅さんが暗い顔してブツブツ言ってるけど大丈夫かな?かなりお疲れっぽいんだけど闇守様に光守様ってオチャメサンだから周囲は大変なんだろうなぁ~
「お二方すぐの出発ですかな?それともお疲れのようですし、しばしこちらで休んでからになさいますか?」
話が進まないのでお爺ちゃんが仕切り出したよ。この様子だったらまだまだ現役でバリバリ神樹の森の長でいられそうかな良かった。
「ん?そうだなぁ~これから向かう赤の国とその次にそのまま向かう予定の青の国について少々問題が発生していることも含めて先に説明したおいた方が良いだろうし、今すぐの出発はしないつもりだ。」
「それに環も森の妖精達に行ってきますって直接言ってから出かけたいでしょうしね。急ぐ必要もありませんから環の良いようにしましょう」
「ありがとう紅さん黎さん」
えへへっ生まれた時からの付き合いだからかボクの事をすごく考えてくれて大切にしてくれるのを感じる。
お爺ちゃんも何気に嬉しそうだし玉や琥珀もボクの感情にふれてるのか優しい気持ちになってるみたいで照れるけど幸せってこういうことだなって思うと体中にぽかぽかした優しさが広がるね。
それにしても少々問題が発生って何だろ?




