終わりからの始まり
That world…それはまるでゲームのような世界。
This world…それは決して楽ではない世界。
It world…それは決して平和ではない世界。
The world…それは想いと怨みが交差する世界。
My world…それはこんな世界で生きる少年と少女たちの世界。
あ、どもー。こんちゃっす!名前は瀬戸 誠也です!男です。現役で高校1年生やってます。
趣味は惰眠を貪ることとゲームをすることと、料理をすること。
そんな俺の日常をぶち壊すやつが……
「ドルルルルァァァァァァアアアアア!!!!」
「待てよナウで説明中だろうが?ワン○クロックのある曲みたいにしょっぱなからシャウトしてくれてるんでんじゃねぇよ、テンション上がるだろうが!」
コホンっ…みたいな感じで俺の目の前でシャウトしてくれちゃって5mくらいあるブツなんだけど。
あれ、この世界に降臨なさる動く災害指定生命体、その名も「鬼」。
俺の世界の歴史の教科書にも載ってるんだぜ?結構ワイルドだろ〜?
そんでそいつが何をするかと言うと……お掃除かな?
お掃除ロボみたいに手当たりしだいに掃除しまくるんだ。
要は建物の破壊行為。目的はわからない。
でも進行方向はしっかりしていて何か目的があるのかもしれないけれど、わからない。
それでその鬼を倒すのがこの世界でいう〈エグゼキューター〉っていう人たち。巷では執行人と呼ばれている。
〈エクゾ〉と呼ばれている武器を使って戦っていて、ここ日本のどこかに〈Ω《オメガ》〉という名の本部をおいている。
それは一部の人しか知らないという。
エクゼキューターには選ばれた女性しかなれない。
あるものは生まれた時すぐに素質がわかる人もいれば、中学生くらいになって突然芽生える人もいる。はたまた大人になってからの人だって。
そしてこんななんの力も持たない男が今、鬼と真正面から対峙してるんだけど、なんか質問ある?ないね、よし。
すると何か叫んだ鬼が俺を踏み潰さんとばかりに足を上げてきた。
待って、そのままスタンプはマジ勘弁。俺、死んじゃうから。
そして鬼はその足を振り下ろす。
ヤバい、踏まれる!!
逃げなきゃ…あ、もう遅いわ……。
直後、震度2は軽くいくくらいの地響きが半径数kmに鳴り響いた。
〇◎〇
『を…ま……さい…ター』
え?何?なんて言ってるの?
『目…さま……くだ…い…スター』
なんて?よく聞こえない?
『目を覚ましてください、マスター』
今度こそハッキリ聞こえた。
俺をマスターと呼ぶ声が。
何故だろう?
俺はこの声に応えないといけない衝動に胸を打たれた。
自然と瞼が上がり目の前の光景を脳が認識したし始めた。
そこには、破壊された建物。ペチャンコにされた車。ヒビが入った地面。やたらデカい鬼。
……そして目の前でその鬼の足を受け止めている、1人の少女。
綺麗な長い白髪が特徴のまだ幼気な感じが残る眠たげな顔だちの少女。というか幼女。イッツロリータ。
服は……何も着ていなかった。
「えいっ」
と勢いを付けて鬼を投げ飛ばした。
投げ飛ばされ鬼は後ろにコケて、尻餅をついた。
すると少女が振り返り、桜色唇を開き、声を発する。
「あの、とりあえず何か着るものをください。誰もいないのはみての通りですが、流石に恥ずかしいです」
ロリータは赤面して手と腕で大事な所を隠している。
「……」
俺はその姿をまじまじと視姦してしまっていた。
「あのぉ~………」
「ん?ああ!悪い悪い」
そして着ていた制服のブレザーを貸した。
裸ブレザーの幼女。
いいね、マニアックだな。
俺が物思いに耽っているところに少女が水を指してきた。
「とりあえず自己紹介して、いいですか?」
俺はガン見しながらコクっとうなずく。
「では、私の名前はレディアス・ニルヴィーナ。マスターに仕えるエグゾです」
その娘は俺のエグゾと名乗った。
俺はガン見しながら口をポカーンとだらしなく開けてしまった。
そして俺の物語はここから始まった。