悪魔と最初の出会い
「ルミ、この写真がなんだ?心霊写真を見せてあの化け物は悪霊なんですって言いたいのか?だったら、俺たちより、祈祷師か悪魔祓いか、エクソシストでも雇ったらどうだ」エースはイラついていた。
「エース。まずはルミさんの話を聞け!」
ジャックに一喝されたエースは口を曲げ貧乏ゆすりを始めた。
「私の前にあの黒い悪魔が現れたのは、ちょうどこのスナップ写真を写した時期と重なるんです。三歳か四歳のころです」
「最初は私が一人の時だけ現れてました。子供でしたから何も不思議に思わなくて、多分たわいもない会話からでしょう。あの悪魔は私に近づいてきました」
「そのことを親に話さなかったのか?」
「もちろん話しました。でも誰も信じてはくれませんでした。だって、私にしか見えないですもの」
「小学校に上がるころには親がいる前でもあの悪魔は平気で現れるようになりました。もちろん私にしか見えません。そして、会話も次第に私の興味を引くものや関心事が中心となって私自身もあの悪魔に引き込まれていきました」
「例えば…どんな会話?」ジャックは尋ねた。
「思い出すだけで身震いがします」ルミは両手を握りしめて視線を落とした。
「会話というよりも願い事をお願いしたのです。でもそれはちょっと懲らしめるだけのものでした。ほんのチョットだけ」
「願い事はかなったのか?」エースは尋ねた。
ルミは頷いた。
「中学一年のころ、私ひどい虐めにあっていたんです。そのことをあの悪魔に話すと…」