ストーリー2
いつも二人で行くカフェに悠は引っ張って行って、てきとうに席に着くとゆったりとした口調で話だした。 「何から話そうかな…」
コーヒーをすすりながら悠は今までとはまったく違う表情を見せていた。 「んー…とりあえずさぁ、悪夢、っつーか予言、観るよね?」
「それが、何?」
身体がいつもと違う悠に驚きカタカタとそして、声までも震えている気がした。
「んー…っとねぇ、俺も、観るわけよ。悪夢。つか予言?」
あはははって悠は笑ってたけど私は何も言えなかった。というか、悠の、言っている意味がわからなかった。
「遊園地行った時あったろ?お前そん時警察呼びに行っただろ?俺それ観たんだよ。まぁ、俺は悪夢の予言じゃなくて贈り物って呼んでるんだけどな。」
シフォンケーキにフォークを指して微笑んだ。
「なん、で私が悪夢の予言って言ってるのとか…わかるの?」
予想はついていた。けど、きかなければ事実はわからない。
「だからー、予言。ね?俺は贈り物って呼んでる。それに出てきたのね?俺はさぁーこれでも上級者なんだぜ?」
ニヤリと笑う悠は得意気だった。
「上級者って、何?」
そう訊ねた時悠の表情が一変して身を乗り出してきた。
「ちょ、知らないとか?」
「知ら、ないけど?」
悠は額をペチンと叩いて
「ちっちゃい頃から悪夢観てた?」
「え?いやぁ…わかんな…い。」
「原因はそれだな。普通さ贈り物はちっちゃい頃から観るらしいんだよね。夢ん中の語り手が言ってた。」
語り手―?こいつ、頭大丈夫か?
「語り手…。」
「まぁ、その内に会うだろ語り手に。俺は黒猫でさぁ―」
悠はその黒猫について語り出した。
けど、今はそんな事聞いている余裕なんてまったくなかった。
(語り手…?んー…何か忘れてる気が…)
その時だった何かが頭をかすめたのは。そして
「語り手!!私、青い熊かも!!仲間だか家族だか探しててるって言ってた!!」
すっかり興奮状態に陥った私はテーブルを叩いていた。
「は?」
それまでずっと黒猫について語ってた悠は現実に戻って来たのかポカンと口を開けてこっちを見てた。
「ちょっと付き合って!!」
今度は私が悠の手を取りガツガツと歩き出した。