26~50
■2026年4月4日
寺院にて
「こないだ蘇生させてもらった仲間がさ、記憶喪失になってるんだけど」
「こちらの不手際でしたね。記憶の移し替えを忘れて……あっ何でもありません」
「なあ、寺院でやってるの。本当に蘇生か?」
■2026年4月5日
「失敗です。この惚れ薬は目の前にいたものへ恋するのですが、強力すぎました」
「だったら良いじゃん。彼へ使わせてもらうよ!」
「ああっ、なんて可愛い瓶なんだ!」
「目の前すぎる」
■2026年4月5日
このダンジョンは塔の形をしている。最上階を目指していると罠が発動。大きくて丸い石が転がってきた。それを俺は軽く避ける。チョロい罠だぜ。
そして最上階にはこう書いていた。
「丸い石をここに置いてください」
ここまで運べと?
■2026年4月5日
ついに魔王は倒された。だが死に際に言い残した言葉。
「我がいなくなっても魔神様がいる」
と聞いて勇者たちは呆れた。
「またかよ」
「こんどは魔神ね」
「言い残されたの、これで何度目だ」
■2026年4月6日
ダンジョンで俺だけが偶然見つけた隠し扉。今日は一人でその奥を探索してやろう。お宝があったら独り占めしてやるんだ。
ところがこれは罠。俺はその場から動けなくなった。仕方ない救助を待つか。
救助隊「隠し扉ってどこだ?」
■2026年4月6日
ジョブ鑑定の結果、俺の天職は戦士系らしい。それも上位の。だがどんな武器を使っても振り回される。剣も弓も駄目。
「役に立たないな、この『ガンマン』ってジョブ」
■2026年4月6日
ダンジョン目当ての冒険者が集まり、そこには村ができ町になった。町はやがて拡大し、ダンジョンの中にまで住む者が出てくる。するとダンジョンを住宅として整える者も出てきた。そこへやってきた新たな冒険者。
「ここが町の中にダンジョンができたという」
「逆だ、逆」
■2026年4月7日
「何だお前ら」
「我々は本格ファンタジー警察!」
「本格ファンタジー警察?」
「ゲームみたいなシステム。ギャグ調のストーリー。ジャガイモに米。中世みたいな世界観でないファンタジーなど滅んでしまえ!」
(『中世みたいな世界観』にそんな警察いねえよ)
■2026年4月7日
弟子がさめざめと泣いているのを見て、魔法使いは問うた。
「何があった」
「魔法に失敗したのです」
「そんなことか」
「自爆魔法に失敗し、自分は無事で周囲のモンスターだけが全滅していました」
「それ詳しく」
■2026年4月7日
彼は天才シーフだ。あまりに器用で、どんな罠も錠前も開いてしまう。そんな腕前が悪人に見込まれ、利用されそうになったこともある。
「辞めようとは思わなかったんですか?」
「俺にはこの道しかないから」
生き方は不器用なんだな。
■2026年4月8日
俺は暗殺者。音もなく忍び寄り、不可視の刃で切り裂くのだ。
「なるほど、それで?」
その見えないナイフを部屋のどこかに落とした。どこにあるか分からない。
■2026年4月8日
「ダンジョン脱出アイテム、こいつは便利だよな」
「けど高価なのがさ」
「仕方ないよ。こいつの開発中、何人が地中で死んでいったか。その慰謝料も上乗せされてるらしいから」
■2026年4月8日
学園において魔法使いの階級は着ているローブによって表される。位の高い魔法使いほど、裾の長いローブを着ている。
「そして彼こそ学園長にして、何百年と生きる不老不死の魔法使いだ」
「もはや布の塊」
■2026年4月9日
「ステータスウィンドウがあったりする、ゲームみたいなファンタジーは本格ファンタジーじゃない!』
「ゲームはゲームでも、チェスなら?」
「そ、それはセーフかな~?」
■2026年4月9日
罠をかいくぐり、モンスターと戦い、俺たちはダンジョンから宝物を持ち帰った。これで金持ちだ!
俺は売買契約書にサインを書こうとして、仲間に止められた。どうやら騙されそうになっていたらしい。
恐い恐い。ダンジョンの外も罠だらけじゃねえか。
■2026年4月9日
行商人はこの町を見て驚いた。城壁が崩れたまま放置されている。これではモンスターが襲撃した時にどうするんだ。
訊くと衛兵がこう答えた。
「実はここ、空飛ぶモンスターしか出なくってさ。壁はもういいかなって」
■2026年4月10日
ステータスウィンドウがないとか、はいはいテンプレ。そりゃ私たちの生活にステータスウィンドウが当たり前だからと、今度はウィンドウがありませんチートとかね。もうどれだけ似た作品が出てると思っているの。ゲームの世界じゃないんだからさあ。ご都合主義にも程がある。
■2026年4月10日
人魚、それは海に住む美しき者。
「とか陸の人間に言われてるらしいわよ」
「あっはっは。それじゃあ、幻滅させるから、あまり上に出られないわね」
とジュゴンのような腹をスパーンと叩いた。
■2026年4月10日
「回復量というのは治癒師の体力に応じて変わるものなのですよ」
と語る彼は筋肉ムキムキで体力が有り余ってそう。
一方私は貧弱なモヤシ。この人に治癒力を流し込まれたら、私はパンクするんじゃないか。
■2026年4月11日
怪我人に回復魔法をかける。
「ありがとうございます、聖女様!」
「さすがは聖女様だぜ」
……その聖女って呼び名、最近流行してるの? 仰々しいから止めてくれないかなあ。単に女僧侶でいいのよ。
■2026年4月11日
迷宮に棲む凶悪モンスター「死神」の前にパーティーは崩壊。俺だけ生き残った。奴に俺の人生は台無しにされた。決して許すものか。
と復讐を誓い早十数年。あれから「死神」には出会えていない。そろそろ俺も引退の頃合いか。本当、奴のせいで俺の人生台無しだよ。
■2026年4月11日
研究の結果、モンスターの大量発生と暴走、すなわちスタンピードは定期的に発生することが判明した。だが
「今年のスタンピードは少ねえだなあ」
「不作でもスタンピードと言えるんだべか」
■2026年4月12日
「僕の攻撃はダメージが固定で1しか与えられないんだ」
「それじゃあ戦士は無理だろう」
「そこで地面の砂を投げつけます。砂粒一つにつき固定でダメージ」
「恐あ」
■2026年4月12日
「勇者の使っていた武器を見つけました」
「使えそうか?」
「魔力は確かに込められています。これなら邪神に通じるでしょう。ただ錆びていて」
「剣としては使えぬか」
「いえ勇者が使っていた武器とは、棘付き鉄球です」
「そのままで良いか」
■2026年4月12日
「おい貴様の召喚するモンスターはE級の戦闘力しかないんだってな。魔法学園の恥さらしめ」
「そうなんだ。サキュバスしか召喚できなくって」
「詳しく話を聞こうか」




