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第五十七章 The Wandering in the Younger Days
「老師がガタァランへと戻る2ヶ月の間、私は師とともにラートの各地を旅した。
サミュラカアン様が、この地でうまくやっていけるのか、少年だった私の好奇心をくすぐり、見届けたくなったのだ。
王子の身分は隠していたから、迫害は至る所で受けた。
罵詈雑言を浴びせられる度に、私は老師を馬鹿にされた怒りを覚えたが、老師はいつも祈りの言葉を口にした。
老師のためのパンを得るのは、いつも私の仕事だった。
黴が生えかけたゴミ同然のパンのこともあったが、老師は文句一つ言わず、大人しく静かに食べ、生きていた。」
わたしはここで、口を挟まずにはいられなかった。
「恐れながら、ハカル王よ。
今…、我が隊は危機に瀕しております。
すぐにでもサミュラカアンを捕えて、戦いを終わらせなければ、全滅でしょう。
昔話に花を興じている猶予がないのですが、ただそれにしても、ハカル王がサミュラカアンの、いえ、サミュラカアン様とお呼びする方が適切でしょうか、弟子というのは本当でしょうか?」




