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第五十五章 Prayer
「案の定、サミュラカアン老師は、道行く人から唾を吐きかけられ、罵られ、ひどい時は蹴られたり砂をかけられたりして、それは散々な目に遭っていた。
そして、そのような心無い行いを受けると、決まって何かを呟いておられた。
散々な目に遭って、いくらタス教の高僧でも、呪いの言葉くらい吐きたくなるのだろう、そう思って、露店で手に入れたパンを手土産に、声をかけてみたのだ。
驚いたことに、サミュラカアン老師は、自らを迫害した者たちへの、祈りの言葉を口にしておられたのだ。」




