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第四十九章 The Questioning
「いかにも、私がサミュラカアンだ。」
人影は返答した。
その声は、高くも低くもなく、明瞭ではないが不思議とはっきりと聞こえ、冷たさと温もりを併せ持つ声だった。
「あなたがサミュラカアンだと言うのは、誠か?」
「誠のことだ。」
「嘘ではないと、どうやって信じればいい?
見たところ、一人の共も連れていないようだが。」
「何を信じるかはそなたの心が決めること。」
この馬鹿馬鹿しい問答には少し面食らった。
「わたしは、くだらぬ問答をしにきたのではない!
あなたがサミュラカアンであるならば、何故このような時に共の一人も連れずにいるのだ?
あなたは本当にサミュラカアンなのか?」
「真実とは、人の心が世界に映し出された虚像。
見たところ、そなたは、私がサミュラカアンであってほしいのだろう?
だとしたら、私が何を言っても、そなたにとってわたしはサミュラカアン以外にはなり得ぬだろう。」




