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第四十五章 The Strange Signal Fire
「すまぬな、ダクラム・ハートゥムよ。
では、わたしたちはこのまま進ませてもらうとしよう。」
そう言って、石板の入り口をくぐろうとした時だった。
ゴスマが慌ててわたしを呼び止めた。
「ネウ様、お待ちください!
あの狼煙は、一体何でしょうか?」
わたしは後ろを振り返った。
すると、マトゥシュラダン山脈南部の総本部のあたりから、赤色の狼煙が上がっているのが見えたのだ。
「なんだ、あの狼煙は!
赤色の狼煙は全軍進撃の合図。
この戦況で一体、何故だ?
そもそも、お前たち、徹底の狼煙は見ていないのか?」
「撤退というと、黄色の狼煙ですね?
いえ、見ておりません、ネウ様。」
と、ハルトナ。
これは一体どういうことだろう。
わたしは、ラガナルに撤退の狼煙を上げるように指示して、総本部を後にしたのだ。




