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第四十ニ章 Crossing Sacred Hawkhayr River
ハウカヤル川の水はひんやりとしている。
くるぶしまで足を浸すと、すぐに冷たさが足を登ってきた。
川幅は広く、中州までは少し距離がある。
川の向こうにはマトゥシュラダン山脈の西側の裾野が広がっていて、川からそう遠くない森の木々の中に、ラカラス隊が潜んでいるはずだった。
奇襲が成功していれば、マカ隊とラミス隊に追い立てられた僧兵たちがハウカヤル川に逃げ込み、そこをラカラス隊が挟撃し、僧兵たちは早々に白旗を上げていたであろう。
だが、現実には、僧兵たちは奇襲を読んでいて、わたしたちが到着する前に、迎撃の態勢を整えていた。
マカ隊は、ラミス隊は、ラカラス隊は、無事だろうか。
わたしが、マトゥシュラダン山脈の北部にも斥候を放っていれば、こんな事態にはならなかったのではないか。
そう思いながら、先を泳ぐダクラム・ハートゥムを追いかけて、中州まで辿り着いた。
水から上がったわたしの身体は、すっかり冷え切っていた。




