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第三十三章 Hesitation
「マカ、お前の言うこともわかるが、この者はタス教の僧侶。
わたしたちと敵対するとは言え、高い徳を積んでおられる。
この者の徳に、ふと賭けてみようと思ったのだ。」
「何度も言うがやめておけ。
ダッカス寺院の中はわしらの領域。
身を滅ぼすことになるぞ。」
ダクラム・ハートゥムはわたしを睨みながら答える。
だが、その身体は引き締まり、無駄がない。
全身に刻まれた傷は、修行の壮絶さを物語り、この状況の中まるで動じない落ち着きは、精神力の強さを思わせる。
身を滅ぼす、とこの者は言った。
それは嘘ではない、と直感した。
何か、まだわたしの見抜けていない、策略が張り巡らされているのだ。
そして、この有徳の士は、わたしをその罠の中に誘い込むのをためらっているのではないか。




