第二章 Two Knights
サカマシュのハカル国王は、29歳にして病死した前国王の跡を継ぎ、即位。
その後、6年の歳月をかけ、サカマシュの版図を倍に増やした。
4年前、サカマシュに次ぐ屈強な兵力を抱えるクドゥンを従えたのは、ハカル国王の最大の軍事的功績だった。
「今回の招集も、次の戦に備えて、ってとこだと思うけど、この頃どうにも、王のご意向がわからない。」
城に向かって歩いているわたしに声をかけたのは、近衛兵団大尉のマカだ。
サカマシュ、クドゥンに次ぐ、第三の軍事国家ハキシュトの騎士で、サカマシュの軍門に下ってからは、わたしと同じくサカマシュに従っている。
「クドゥン、ハキシュトを倒したならば、次に押さえにいくべきは、ラートのはず。
国土は狭くとも、交通の要衝であるラートを従えることができれば、交易も盛んになり、サカマシュの国力はますます強くなる。
なぜ王は、ラートではなく、北方の小国ばかりを攻め続けるのだろうか。」
「わたしに聞かれても、そんなことはわからない。
もとより、旧敵国の武官には、大事な情報など渡さないだろうよ。
近衛兵団と言っておきながら、戦となれば、当然のように最前戦に送られるのだから。」
こうして、マカと話しながら城門をくぐり、王の間へと辿り着き、ハカル国王の入室を待った。




