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第十六章 The Sacred River and Blood
おそらく、もはやラミス隊の出番すら必要ないだろう。
なぜなら、タス教の伝統では、聖なる川を血で汚してはならない。
僧兵たちは、ハウカヤル川に血を流すことを恐れて、戦いをやめてほしいと訴えてくるはずだ。
わたしとて、タス教の僧兵を手にかけたくはない。
信徒ではないが、聖職者を無碍に殺害すること、それは冒涜的であるように感じられた。
また、犠牲を最小限に抑えて戦いを収束させるのが、今後の国際秩序の中心的存在となるサカマシュの名誉にとっても、最良の手に思われた。




