第一話 異世界で一番強いチート能力を手に入れた俺、美女ハーレム生活の始まり!
俺の名前は加賀谷 透。
25歳、童貞、年収280万、毎日終電で帰る社畜――もちろん彼女いない歴=年齢。
好きなものはアニメとソシャゲ、嫌いなものはリア充と上司。
つまり、まあ、世間的には「負け組」ってやつだ。
そんな俺が、ある日突然死んだ。
原因は過労死。深夜2時、帰宅途中に心臓が止まった。
意識が薄れていく中、唯一思ったのは「……このまま終わり? 俺の人生って、何だったんだろう」。
次に目覚めた時、俺は真っ白な空間にいた。
「よく来た、若者よ。我は神である」
唐突に現れた白髪のローブ姿の老人。いかにも神様然としたその男は、俺に告げた。
「汝にはもう一度、人生をやり直す機会を与えよう。新たな世界、異世界で」
「マジで……? 異世界転生!? 俺、死んだんじゃなかったの!?」
「死んだとも。だが、異世界でなら新たな力と共に生き直せる」
「力? それってチート能力ってやつ!?」
「そうだ。ひとつだけ、おぬしの望む能力を与えよう。何が欲しい?」
俺は考えた。そして即答した。
「異世界で一番強いチート能力が欲しい!」
「ふむ、それは……“想像したものを現実にできる力”だな」
「うおおおおおおおおお!!!!!激アツ!!!!!!!」
気づいた時には、俺は見知らぬ草原の上に立っていた。
見渡す限りの大自然。ファンタジーっぽい森と空。いよいよ、異世界生活の始まりだ!
「あ……あの、大丈夫……ですか?」
目の前に立っていたのは、地味な女の子だった。
薄茶の髪を三つ編みにして、くすんだエプロンドレス。顔立ちは悪くないが、正直ぱっとしない。
「……なんだよ、モブかよ」
「えっ……?」
「いや、なんでも。だいじょーぶ。ほっといてくれていいから」
彼女は困ったように眉をひそめたが、それ以上は何も言わず、小さく会釈して去っていった。
チャンスを逃す?はは、違うね。
俺は“想像したことが現実になる”んだ。モブなんかに構ってる暇はない。
「さて……まずは金!“俺は異世界で一番の大富豪になる!”」
空から金貨の雨が降り、足元には山のような財宝が現れた。
ハハハハ、すげぇ、これがチートってやつかよ!
「次は、権力!“俺はこの国の王になる!”」
瞬間、俺の服は豪奢なローブに変わり、膝をつく騎士たちが目の前に現れた。
「王よ、我らが忠誠を!」
「くぅ~、最高かよ!!」
こうなったら、次はもちろん――
「“俺のもとに、異世界一の美女が嫁いでくる!”」
光が差し込む。
その中から現れたのは、銀髪でエルフ耳、すらりとした肢体に宝石のような青い瞳。
腰まで届く髪がふわりと揺れて、聖母のような笑みを浮かべる。
「あなたが……私のご主人様なのですね?」
美しく、完璧なエルフの女。
まさに、俺が想像してきた理想そのもの。
「ようこそ、俺のハーレムへ!」
――俺の異世界生活が、ついに始まった。