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レベル2

 アルフレッドは冒険者ギルドでの初めての任務を成功させ、レベル1からレベル2に上がった。彼は新たな力を手に入れ、次なる冒険に挑む準備が整っていた。ギルドの受付係が新しい依頼のリストを手渡すと、アルフレッドはその中から一つの依頼に目を留めた。


次なる冒険:ゴブリンの討伐

依頼内容:

近隣の森にゴブリンの一団が出没し、村人たちを襲ったり作物を荒らしたりしている。彼らを討伐し、村の平和を取り戻してほしい。


報酬:

100ゴールド

ゴブリンから得られる戦利品


依頼主:

村の村長


 アルフレッドはこの依頼を選び、受付係に確認の意を示した。


「ゴブリンの討伐ですね。少々危険な任務ですが、あなたのスキルならきっとやり遂げられるでしょう。村の村長が直接依頼を出しているので、詳細は彼から聞いてください」


 彼は一息つき、仲間と共に挑むことを決意した。パーティメンバーとして戦士のヴァレリア、魔法使いのエリオット、盗賊のリアンを選んだ。


「皆、今回はゴブリン討伐の依頼を受けた。力を貸してくれないか?」


 アルフレッドの言葉に仲間たちは頷いた。


「もちろん。ゴブリンごとき、私の剣で一掃してみせるわ」ヴァレリアは力強く言った。頼もしい。


「強力な魔法で後方支援するよ。安心して任せてくれ」エリオットも笑みを浮かべていた。


「罠の解除や偵察は僕に任せて。どんな危険も未然に防いでみせるよ」リアンは言って、自信をのぞかせる。


 ヴァレリアはゲルマーシア王国の小さな村で育った。幼少期から鍛冶職人の父に教えを受け、武器の扱いに長けている。村を守るために戦士としての訓練を積み、強靭な体力と戦闘技術を身に付けた。父の教えにより強い正義感を持ち、弱者を守るために冒険者となった。


 エリオットはマリネリージ王国の王都ナドヨルーク出身で、幼少期から王立魔法学院で教育を受けた。魔法の才能を早くから見出され、学院での厳しい訓練を経て、多くの呪文を習得した。知識欲が旺盛で、未知の魔法や遺跡を探求するために冒険者となった。


 リアンはゼイドーアン王国の王都セルゼリッカで育った。貧しい家庭に生まれ、幼少期からスリや窃盗で生計を立てていた。しかし、街の裏社会での生活に嫌気がさし、正義感に目覚めて盗賊としての技術を活かしながら冒険者となることを決意した。彼の目的は、かつての自分のような境遇にある人々を助けることだ。


 かくしてパーティが決まると、彼らは冒険の準備を始めた。ギルドの装備庫に向かい、必要な装備やアイテムを購入する。


 ヴァレリアは重厚な鎧を身にまとい、大剣を手に取った。彼女は武器の重量を確かめながら、バランスを取るために何度か振ってみた。


「これならどんな攻撃も受け止められる。ゴブリンたちもひとたまりもないわ」


 エリオットは古い魔導書と精巧な杖を手に取った。彼は魔導書を開き、呪文の詠唱練習を始めた。杖の先端が淡い光を放つ。


 エリオット「この魔導書には強力な呪文が詰まっている。今回は新しい攻撃魔法も試してみよう」


 リアンは短剣を数本とロックピックをポーチに入れた。彼は素早く短剣を回転させ、戦闘準備を整えた。


「罠が多い森だから、ロックピックも役立つだろう。スムーズに進めるように頑張るよ」


 アルフレッドは自分の剣と盾を再確認し、しっかりと装備した。彼は剣を抜いて鋭さを確かめ、盾の強度を試した。


「みんなの力を合わせれば、どんなゴブリンも恐れることはない。行こう、任務を果たそう」



 準備が整った後、パーティは森へと向かった。森に入ると、ゴブリンの足跡や痕跡があちこちに見受けられる。


 リアンが森の奥に目を向ける。


「ゴブリンの巣穴は近いかもしれない。気をつけて進もう」


 パーティが森の奥深く進むと、いきなり茂みから数体のゴブリンが飛び出してきた。彼らの目は赤く輝き、鋭い牙をむき出しにしていた。


「ここからが本番だ。みんな、行くぞ!」アルフレッドは言った。


 ヴァレリアが前に出てゴブリンの攻撃を受け止めるべく、大剣を構えた。最初に突進してきたゴブリンは、彼女の重厚な鎧に弾き返され、ひるんだ。


「さあ、かかってきなさい!」


 彼女は大剣を一閃し、ひるんだゴブリンに斬りかかった。その一撃でゴブリンの胸を切り裂き、鮮血が飛び散った。


「ファイアボール!」


 エリオットは後方から火の玉の呪文を唱え、前方のゴブリンに向かって放った。火の玉は正確に命中し、ゴブリンは悲鳴を上げながら燃え上がった。


 リアンは素早く動き、別のゴブリンの背後に回り込んだ。彼は短剣を振りかざし、ゴブリンの首筋に鋭い一撃を加えた。


「隙を見せるなよ!」


 ゴブリンは苦しみながらも抵抗しようとしたが、リアンの動きは素早く、再度の攻撃を許さなかった。


 戦闘が激しさを増す中、茂みの奥から一際大きなゴブリンが現れた。リーダーゴブリンだった。彼は強力な武器を手にし、威圧的な姿勢でパーティに迫ってきた。


「グルアア! 人間ども、ここで終わりだ!」


「リーダーを倒せば、この戦いは終わる。みんな、力を合わせよう!」


 リーダーゴブリンは唸り声を上げながら前に出た。彼の手下たちも勢いづいてパーティに襲いかかる。ヴァレリアはリーダーゴブリンの攻撃を受け止めるために前に出た。リーダーの一撃は強力で、彼女の盾を打ち砕かんばかりの衝撃が走ったが、ヴァレリアは歯を食いしばり耐えた。


「まだまだ、これくらいで!」


 リーダーゴブリンが再び攻撃を仕掛けると、彼女は盾を上げて防御し、その間にエリオットが後方から呪文を唱えた。


「ライトニングボルト!」


 エリオットは強力な雷撃の呪文を放ち、リーダーゴブリンに命中させた。雷撃がリーダーの体を駆け巡り、一瞬動きを鈍らせた。


「今だ、リアン!」


 リアンはその隙を突いて、リーダーゴブリンの注意を引くために素早く動いた。彼はリーダーの足元にロープを投げ、バランスを崩させた。


「今がチャンスだ、アルフレッド!」


 アルフレッドはリアンの声に応え、剣を振りかざしてリーダーゴブリンに突進した。彼の剣は力強く、正確にリーダーの心臓を狙って突き刺した。


 リーダーゴブリンは絶叫し、その場に崩れ落ちた。彼が倒れると、残りのゴブリンたちは恐怖に駆られて四散した。


 アルフレッドは汗を拭いながら深呼吸し、仲間たちに視線を向けた。ヴァレリアは盾を整え、エリオットは魔力の余韻を感じながら呪文を収め、リアンは短剣をしまい、戦闘態勢を解いた。


「みんな、よくやった。この勝利は、俺たち全員の力だ」アルフレッドは水袋の水を飲んで言った。


「これで村も安心ね」ヴァレリアが言うと、エリオットも頷く。「そうだね。無事に任務を果たせてよかった」


 リアン「次の冒険があるなら、この調子で行こう」


 パーティは戦利品を確認し、ゴブリンから得られる宝物を回収した。彼らは疲労とともに、達成感を感じながら森を後にした。


「それじゃあ村に報告しよう」アルフレッドは立ち上がると言った。


 村に入ると、村人たちは大いに喜び、アルフレッドたちを称賛した。村長から報酬を受け取り、彼らはギルドへと戻った。


「本当にありがとう。これで村は平和を取り戻せます」


 アルフレッドは微笑み、仲間と共にギルドへと帰った。彼らの冒険はまだ始まったばかりであり、次なる挑戦に向けて心を新たにした。


「素晴らしい働きでした、アルフレッドさん。これからも多くの冒険があなたを待っています。次の依頼もご用意しておりますので、いつでもお声がけください」受付係は冒険者たちを称賛する。


 アルフレッドは深く頷き、次なる冒険に胸を躍らせた。彼の冒険者としての旅は続いていく。新たな仲間と共に、彼の旅路は無限の可能性に満ちていた。

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